前回モノクロネガフィルムのデジタル化作業については大まかな作業感覚はつかめていましたが、最後の書いたように作業時間がかかるのが頭の痛いところです。特に Lightroom でのネガ→ポジ反転をトーンカーブで行うのは作業としては単純ですが、これがカラーネガとなるとそう簡単にはいきません。ベースカラーのオレンジがある分を考慮したり補正しないとならないからです。
ということで、新兵機能導入です。
新兵器 1 - Negative Lab Pro (NLP)
Negative Lab Pro (NLP) を一言で説明すると
詳細は下記「参考にさせていただいたブログ」に丁寧に紹介されていますのでそちらを参照いただくとして、一言で言えば
- 有料ソフト ($99 USD なので一万円ちょっと)
- Lightroom のプラグインとして動く
- 作業イメージとしては大雑把に次の2ステップ
- Lightroom でネガの不要部分をトリミング
- Lightroom から NLP を "control + N" で呼び出し、convert 、apply のボタン押下でネガポジ変換完了
という感じです。
別の言葉で言うと、 トーンカーブのひっくり返しやフィルムのベースカラーの補正などをワンタッチで行ってくれる便利なソフト で、作業効率がかなり改善されました。
作業効率の改善
前回のフィルムのデジタル化 02 でご紹介したように、36枚フィルム一本に対してかかっていた
* 36コマ撮影: 15-20分
* 36コマ LR 加工: 40-50分
の後半の LR 加工が 25分位まで短縮できるようになりました。とは言えネガポジ反転の時間がゼロになったわけではありません。"control + N → convert → apply" の操作自体には時間はかかっていませんが、convert ボタンを押した後自動的にネガポジ変換を行うのにざっくり一コマあたり 10秒弱掛かります。36コマ分で 360秒 = 6分 の計算ですが、これを一コマずつ変換せずトリミングが終わった後まとめて一括で変換すると 3分 40秒でした。トーンが揃っているなら全コマ選択で、そうでなければ似たような階調のコマだけ選んでバッチ処理すれば良いですね。もっとも今のところ全コマ選択で破綻したような変換は全くありませんが。
(作業環境:Macbook Pro 2019, 2.6 GHz 6コアIntel Core i7, 32GB メモリー / raw ファイルは NAS 上 )
これ以上の作業時間短縮はトリミングの効率アップ位でしょうか。ちょっと難しそうですが。
カラーネガの変換
カラーネガはまだ一本しか変換していませんが、少なくとも現在の「ネガもデジタル化ポジにしてベタ焼きのようにチェックできる」と言う目標には十分のクオリティ。手動で色々手間をかけて変換してもなかなか満足できないのが私の Lighroom でのカラーネガ変換の腕前ですが、ワンタッチでここまでできれば私には十分。不満が出てきたら Lightroom ならヒストリー機能でいつでも読み込み時変換前の状態からスナップショットを作成していくらでも手動などでやり直すことが可能なので気楽にいくらでも前に進めます。
いずれ「流石にカラー補正しないとダメだな」と言うカットも出てくるでしょうからその時にまた勉強したいと思います。
参考にさせていただいたブログ
上記の Negative Lab Pro は英語サイトですが、動画説明もあり雰囲気は十分わかるのではないかと思いますが、すでに日本で利用されている方がいらっしゃり、こちらの説明も参考にさせていただきました。
しかし、基本的には単純なソフトなので細かい補正などは行わなくても直感的な操作でほぼ十分な変換ができますので、日本語説明にかじり付く必要もないと思います。
新兵器 2 - 電動エアダスター
フィルムをアダプターに装着した後のホコリとりにスプレータイプのエアダスターを使っていましたが、あっという間に空になってしまいました。どんどん空き缶が増えていくのもどうかと思い昔ながらのブロアブラシでホコリ取りしようかとも思いましたが、一コマならまだしも 6コマのホコリを吹き飛ばすには当然一握りふた握りでは心許ないので電動充電式のものを導入しました。
購入時は実はあまり丁寧にチェックしておらず(酔っ払っていた?)、サンワサプライでも 3種類出ていて、どうやら私が買ったのは 2020年モデルで一番風量が劣るもののようでした。
新たに買うのであれば缶タイプの 2021年モデルにすれば立ち上がりも早く風量も強力になっているようです。。
しかし(旧タイプを買ってしまった負け惜しみを言うと)、一応アダプターに入れてあるとはいえフィルムなのであまり強い風圧に晒すのもどうかと思いますし、部屋のホコリがついてしまったものを吹き飛ばすには十分な風量はありますのでこれでもよかったな、と思っています。最初はノズルの開口部分の面積をテープでも貼って風速を高めようかとも考えていましたが、今はそのまま使っています。
ただ、音だけはうるさいですね。夜家族が寝静まった時にブォーン!っとやるには少々気が引けるのは事実です。
それでも作業時間はかかるけれども昔の写真を楽しんでいます。
NLP のお陰で作業時間が短くなった以上に作業の手数が激減したのが大きな収穫でした。とは言え撮影からネガポジ変換完了まで 36枚で 30分では終わらない作業。現時点でまだ約 30本が終わった程度。でも実際の作業をしながら当時のことを思い返したり、昔引き伸ばしたカットを見つけては娘に LINE で送りつけたり楽しんでいます。