スバルが今年の公開を予定しているスマホ用ドライブアプリの先行体験プログラムに参加して、アプリに登録されている西伊豆スカイラインを含むルートを走ってアプリを試してみました。
(そもそも一人で行きましたが、人との距離を十分保ち、現地では特産物をたっぷりお土産に購入してきました!)
走る道のすべてを発見と刺激へナビゲートする、SUBARUオーナーのためのドライブアプリ。
概要と結論
アプリ自体に関しての情報は、実質上記のリンク先情報だけの案内なので、雰囲気だけの理解で申し込んで使ってみました。
アプリを私なりに簡単に説明すると、
- スマホアプリ(現在は iOS 版のみだけれど、正式公開時には Android 版も提供されるらしい)
- 走りを楽しめるお勧めルートをリストしてくれる(現在は西伊豆の1ルートのみ)
- ルートを選択した上でルートのスタート地点からお勧めルートを実際に走る時にこのアプリを使うと
- カーナビの代わりにナビゲーションしてくれる(Yahoo! カーナビみたいな感じ)
- ナビゲーション以外にドライブに合わせて周囲の情報などを声で案内してくれる
- ドライブの雰囲気にあわせた音楽を流してくれる
- アプリ内に走行履歴が管理される
と言う感じでしょうか。アプリも実質一日しか使っていないので少し外している部分もあるかもしれませんが、大きくは間違っていないと思います。
上記を見てみると、「大したことはないな」と言うのが印象だと思います。実際私もそうでしたが、走ったことがない西伊豆のルートだったこともあり、先行体験に応募して見たところ、「あ、確かにカーナビだけでは走らないルートだし、一般ドラーバーを楽しい走りに連れ出してくれる可能性のあるアプリだな」という体験ができました。
一昔前の「走り屋」さんだったら好きそうな道、と言うのがいくつもあるのだと思います。そういったところも含めて走って楽しいコースを普通のドライバーに情報提供する位置付けのアプリだと思いました。
コース
今回のルートは、道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」から「出逢い岬」の設定で、伊豆中央道、修禅寺道路、西伊豆スカイラインを走ります。私なりの理解では、走りを楽しむのは西伊豆スカイラインがメインで、あとは土肥港までの途中の山道を安全第一で。
実際にドライブで使ってアプリで得られる体験
カーナビとの違い
これは実際にスタート地点の道の駅で、カーナビのゴールの出逢い岬を目的地と設定してもこのルートは出てきません。遠回りですからね。有料道路優先検索モードでも西伊豆スカイラインは通らないルートの案内でした。
つまり、「西伊豆スカイラインが楽しいので走りたい!」と分かっている人のドライブルートを教えてくれるのがこのアプリの価値なのでしょうね。この点は現地で走り始めて直ぐに理解できました。
周囲の案内ガイド
確かにこれもカーナビでは味わえないもので、「この先駿河湾の展望が‥」とか「達磨山展望台の先には休めるところ(トイレ休憩や自販機がある所の意味だと理解しました)はありませんよ」とか、確かに有用な情報は提供されたのはよかったです。
BGM 機能
これは AWA についてよく分からず事前に調べたりアカウント作成をする準備をする余裕がなかったので、試すことができませんでした。ここは多分このアプリのウリの一つだと思うので、もう少し丁寧な説明をしておくべきだと思いました。
事前準備
アプリの導入(先行体験に限った話)
これは実際にアプリが公開された時には全く役立たない情報ですが、先行体験版は iOS アプリをテスト公開する際に使われる TestFlight と言う機能で配布されました。TestFlight 自体の存在は知っていたのですが、実際にテスターとして利用するのは初めてで興味津々でした。簡単に言うと、現時点で SUBAROAD アプリ自体は通常の App Store 経由ではアプリを見つけて導入することはできないのですが、一旦 TestFlight アプリを導入して TestFlight からテスト用のコードを入力すると App Store からアプリを導入できる、という流れでした。
ドライブに先立って軽く触った感じ
導入したらまずアプリを起動してみますよね。その後の流れは下のスクリーンショットのような感じでした。あとで改善要望点をまとめて書きますが、現時点で選択可能なルートがひとつしかないこともあり、やや混乱する構成に感じられました。
本来であれば恐らく、
実際にドライブに行く前に計画を立てる。「ホーム」タブからコースを選択し、コースのカスタマイズを行うと、「マイプラン」として登録される。
当日スタート地点に行ったら、「マイプラン」タブから登録ずみコースを選択してスタートする。
と言う流れなのだと思いますが、現時点ではたった一つのコースを選んでいくと、BGM 選択でやや混乱してなんとか「保存する」まで辿り着いた途端大きな「出発する」ボタンが登場するので、「ああ、これは当日スタート地点でコース選択から一通りを行わなければいけないんだ!」と誤解してしまいました。現に私は事前に一通り触ったものの誤解して当日道の駅の駐車場で最初からやり直して「あーめんどくさい!」と感じました。
実際は事前にマイプラン作成を済ませておけば良いんだよ!と言うことが分かればよかったのですが、この誤解はテスターの印象には大きなネガティブポイントとなり得ます。
改善要望点
まだ開発途上のレベルなので、当然完璧に仕上がっているわけではないことを分かっていますが、気になったことをいくつか挙げておこうと思います。
アプリ自体
コースの充実
大前提ですが、無限にあるわけでは無いでしょうから長くアップデートされるアプリになるためにはどうしたら良いのか?ある意味楽しみではあります。
事前設定項目を分ける
AWA に関してもそうですが、ドライブバティ(ガイドのこと)に名前をつけるなんてのはコースの設定と別の初期設定の流れを作ってそこで行うのが良いと思います。もっと突っ込むと名前をつけても最初に自己紹介で名乗る以外登場しませんでした。
ガイドの音量が小さい
窓を開けて走っているとガイドの音をカーステレオから聞いていても声が小さくてよく聞こえませんでした。これは絶対に改善してほしい。
ガイド内容のバリエーションや更新
景色などは季節によって見所も変わると思いますので、ガイド内容は固定文言ではなく適当に更新されると良いと思いました。
Carplay 非対応であっても
Carplay に対応してくれるのが一番ですが、現在の非対応のままだとしても「接続を解除してください」と言うメッセージは適当なのでしょうか? なんだか接続を外さないと壊れてしまうかもしれないとか、機能しなくなるのではないか、という不安感が高まってやむなく一旦外して Bluetooth 接続しましたが、外したから特に何かできるようになるわけでも無いようです。非対応であっても Bluetooth 接続時と同じように音声はカーステレオからちゃんと出るので、「接続を解除してください」メッセージは不適当だと感じました。
聞き逃したらおしまい?
音量の問題もありますが、ちょっと聞き逃してしまった!と言うことが何回かありました。Podcast アプリのように 10秒巻き戻しボタンがあっても良いかな、と一瞬思いましたが、現実にはドライブ中の操作も考えると難しいでしょうかね。
ナビゲーション機能
ナビゲーション機能自体は Mapbox と言う外部機能を使っているようでした。私が道を間違った際にもなんとか元に戻るルートはガイドしてくれましたし、実際のルートにさほど複雑なものがあるような使い方ではないので大きな問題はありませんでしたが、ゴールに近くなった時に下のようなルート表示になったことがありました。これは何なのだろう???
アプリ以外
アプリ内で周知するのも良いですが、アプリ自体の紹介の段階で幾つかもっと周知徹底しておいた方が良いことがいくつかあります。
BGM に関して
AWA とは何か?AWA を無料で使えるの?そのためには何をしておけば良いの?、間違えて有料プランを申し込んでしまったらどうしたら良いの?AWA 以外では例えば Apple Music ではダメなの?
ここは本当にわかりやすくしておかないと、誰も使わないと思います。
ルートの危険性について
「そこまで責任を負えるか!」とスバルに言われてしまうような気がしましたが、西伊豆スカイラインが終わった後の土肥への道は制限速度の 30km でもすれ違いは困難なくらいのカーブも結構あり十分な注意が必要です。後から「人をこの道に集めておいて‥」などを言われないように細い道などへの注意喚起は十分に行っておいた方が全ての人にとって良いかと思いました。
今後正式リリース以降使うに当たっては
事前のプランをもっとやっておきたい!
正式リリース時にどれだけの機能が追加されるのかはわかりませんが、このアプリだけではルートや周囲の見どころなどは十分わかりません。例えば今回であれば周囲の温泉やゴール地点周辺の土肥〜沼津あたりの美味しいお魚などちゃんと調べておけばよかったと思いました。このアプリでも音声ガイドで深海魚がどうのこうのとガイドしてくれましたが、走っているときに言われても調べられません!
やっぱり事前にしっかりした下調べはやっておきたいですね。