前回「無線局登録状」の交付を受けましたので、そこに記載されている「登録の番号」をもとにオンラインで開設届を提出します。今回も前回の包括登録で用いた総務省 電波利用 電子申請・届出システム「電子申請アプリ」を再度用いて「開設届」を送信/提出します。
今回も前回に引き続き、実際の入力方法などは前回同様 gasguzzler さんの記事を参考にさせていただいていますので、皆さんもぜひ目を通されることをお勧めします。
gasguzzler.hatenablog.com なお、 gasguzzler さんの記事は 2020/01/26 時点のものですが、私が 2021/08/06 実際に操作したところアプリの一部入力フィールドのレイアウトが変更されていました。見た目は大きな変更ではなさそうだと思ったのですが、登録状を関東総合通信局で受け突取った際に【電子申請にて開設届を提出するにあたっての注意点】なる注意書きメモをもらっており、どうやら現時点では複数局の開設情報を入力する際に、入力の仕方によってうまくいかないケースがあるようです。この辺りは私が経験した範囲で補足しておこうと思います。
- 開設届の処理を「電子申請アプリ」で行う
- 入力前に要チェック!【電子申請にて開設届を提出するにあたっての注意点】
- 処理ステータスを確認する
- 「他人への無線機の貸与は禁止」だって!
- 手続きは終わっていなかった...
開設届の処理を「電子申請アプリ」で行う
今回の作業を前回で利用した下図で示すと、一番右端の「開設」→「開設届提出」にあたります。(実際は開設届の作成と提出だと思いますが...)
手元に準備しておくもの
「電子申請アプリ」で各種情報を入力/提出するにあたっていくつか手元に準備しておくものを確認しておきましょう。
- PC :当たり前ですが「電子申請アプリ」が導入されている Windows PC が必要です。私は普段 Mac しか使っていないので、開設届だけのために Windows PC を引っ張り出す必要があります。
登録状:登録状に記載されている「登録の番号」を入力する必要があります。
マイナンバーカード(とカードリーダー):もちろん署名用の電子証明書用の暗証番号も覚えていないと提出できません!
実際に登録するデジタル簡易無線機(複数台ある場合は全て):無線機本体の電池ボックスなどに記載されている下記の情報を一台一台入力する必要があります。
- 技適番号
- 製造番号
- CMS (Call Sign Memory):正式名称は「呼出名称記憶装置」だそうです。そこに記載されているのは 9桁の数字で、これがコールサインの代わりになっているようです。デジタル簡易無線ではアマチュア無線と異なり利用者が自らコールサインを発信することは求められていないのですが、それは CMS が自動的にデジタルデータの一部として無線機から発信されているからだそうです。
(ただ、ヒトとヒトの更新においては自分を表すシンボルがあった方が交信しやすいので、みなさん自作(自称)のコールサインを名のる方が多いようですね。)
実際の入力
実際の入力は入力する情報量が包括申請の際よりは少ないので楽です。1台だったらすぐに終わると思いますが、2局(台)以上の場合は注意が必要でした。私も一回引っかかって 2局(台)目の情報入力が反映されないという状況に遭遇しました。その回避方法が関東総合通信局で登録状とともに渡されたチラシに書いてありましたのでご紹介しておきます。2台以上を一回の開設届で入力する際には下記チラシを入力前に読んでおくことをお勧めします。
入力前に要チェック!【電子申請にて開設届を提出するにあたっての注意点】
まずは『常設場所』と『移動範囲』の入力に関する注意
私はたまたま問題なく入力できましたが、わかりにくいのはアプリの作りとして一つのリストに『常設場所』と『移動範囲』も表示するので、それぞれの入力のトリガーが違うよ、ということをチラシでは言っているようです。『常設場所』と『移動範囲』も「追加」ボタンで表示されるダイアログパネルから「設備設置区分」からそのいずれかを選ぶのですが、『移動範囲』に関しては「追加」ボタンを押さずに「全総合通信局(全国)」ボタンを押せば「追加」ボタンを押さなくてもリストに移動範囲を追加できるよ、ということを言いたいようです。 これはこのアプリがデジタル簡易無線専用では無いから生じる問題なのでしょうか。この辺り個人的にはもっとアプリの最適化を考えたくなってしまいました。
複数局の入力に関する注意 👈 これに引っかかった
もしかしたら入力より先にこのチラシを見ていても良く分からなかったかもしれません。
まず実際のアプリの画面レイアウトはこのチラシの青枠が二つ並んでいるのではありません。上の「無線設備の工事設計の内容」は先ほど『常設場所』と『移動範囲』を入力した「開設局情報」の続きです。一方下の青枠部分「包括して登録を受けている無線機の解説に関する事項」は一通りの入力が終わった後の確認画面です。具体的には開設局情報」の一番下で OK ボタン(だったと思う)を押した後に「包括して登録を受けている無線機の解説に関する事項」の画面が表示される流れになっています。
では 2局目の情報を入力するためにはどうしたら良いか?私の理解では、
- 1局目:「開設局情報」の画面から入力
- 2局目以降:一旦開局情報ページのOKボタンで先に進め、「包括して登録を受けている無線機の解説に関する事項」の画面で入力
してねということでは無いかと思います。
ところでざっくり Google で検索してみましたが、どうやらこれに相当する pdf などは公開されていないようですね。
紙だけ配布する < 紙で配るなら pdf でも公開 < オンラインヘルプで明記 < アプリ自体を改修
多分 gasguzzler さんの記事が書かれた 2020/01 以降アプリの改修が行われたのではないか?ということは上に書きました。想像ですがその時の改修により「複数局の情報を入力したのだけれど反映されないじゃないか!」という苦情があったのだと思います。そこでやむなくチラシを作成して配ったのでは無いでしょうか。オンラインヘルプに反映するとか、せめて PDF で公開するとかすれば良いのに紙のチラシだけというのもちょっと引っかかります。本来ならアプリ自体を再度改修して欲しいところなのですが、きっとお役所の発注なので一旦開発済みアプリが納品されたらもう追加コスト無しには直せないような契約になっているんでしょうねぇ。。。
どうもいちいち引っかかってすみません。
処理ステータスを確認する
前回同様、申請を送信するところは「電子申請アプリ」で行いましたが、その処理ステータスは
総務省 電波利用 電子申請・届出システム (Web サイト) で確認できますので、常用の Mac や iPad で確認できて便利です。
ちなみに金曜日の夕方送信したので現在のステータスは「到達」のままです。
「他人への無線機の貸与は禁止」だって!
もう一枚チラシをもらっていました。
オモテ面は「ちゃんと開設届出してね」
これはわかります。窓口なり郵送で包括登録で登録状を受け取ったらなんだか終わったような気がしてしまうかもしれません。ちゃんと開設届だしてね!ということに私はこれで対応完了済みです。
ウラ面は「他人への無線機の貸与は禁止されています。」❗️
前回の記事では IC-DPR4 1台を買ったことしか触れていなかったのですが、実は友人とアウトドアに出かける際に貸して一緒に運用するためにもう一台 IC-DPR7Sbt も入手していました。このチラシを見て一瞬「あちゃー❗️」と思いましたが、もちろん但し書きがあって、「法令で定められた手続きをとった場合のほか、」とありますので、「法令で定められた手続き」さえしっかりやっておけば良いのです。
実は薄々は分かっていました。デジタル簡易無線に関して Google で検索していると、レンタル業者の宣伝は山ほど出てきますが、実際に家族や友人で利用するシーンを無線機メーカーが全く宣伝しているものを見かけないのです。もちろんそういった「仲間内での利用を考えてデジ簡を書いました!」という記事は私のものも含めてたくさんありますが、あくまでも個人の記事です。
レンタル業者の中には丁寧に下図のような説明を載せているところもありました。
ということで、いくら登録状を受け、複数局を登録した開設届を出しても原則自分一人でしか運用できないのです。
手続きは終わっていなかった...
この点、私が最近見た範囲ではメーカー(アイコム)もデジタル簡易無線を紹介する書籍などでも「免許不要!登録するだけ!」と言った強調がされていますが、「自分で複数台買って登録しても友達に貸すには必要な手続きがあるよ!」と明確に整理しているものを見たことがありません。もちろん私はこの分野に関してここ1ヶ月くらいしか調べていないので、他のメーカーやちゃんと説明している書籍やサイトがあるのかもしれませんが、私の知る限りでは皆無でした。
一方行政の案内はどうなっているか?と言うと、説明や案内はありました。
総務省|関東総合通信局|デジタル簡易無線局(CR)登録局のページ
ということで、現時点で 2台を一人で遊ぶことはできるようになりましたが、自分のデジ簡を友人に気軽に貸せる状態にはなっていない状況です。
本当は今回で手続き関連は終わる予定だったのですが、各種手続きが続くと疲れてしまったので、そのうちもう少し調べた上で「合法的に友人にデジ簡を貸して一緒に運用する」を実現してみようと思います。