最近老眼鏡を首から吊るすメガネストラップのループ部分が切れかかってしまったので、新たなループを作りそれを止めるのに電気工事で使うリングスリープという金具を持ち出したというお話です。 ついでにだいぶ前に取得した第2種電気工事士について「持っているとイイよ!」というお話もしておこうと思います。
大切に使っているメガネストラップ
全く高価なものではないのですが、数年前宮古島に行った際に「海宝館」と言う貝マニアの館長がやっている貝専門?お土産屋さんで購入したものです。名前は忘れましたが、金運を呼ぶという貝殻がついたもので、主に寝室兼楽器練習場所で使っていたものです(老眼鏡用なので部屋ごとに置いてある)。 最近メガネの耳掛け部分を通すループ部分が摩耗して切れそうになってきていて、ループ自体も緩んできてたまに首にかけているメガネが床に落ちてしまいます。
摩耗した部分はカットして、新たにループを作れば良いのですがループを閉じてストラップ自体を固定する方法を考えていました。現在は結構硬質なプラスチックだと思うのですが、がっちりループを固定しています。別に硬質な留め具でなくてもいいかなと考えていたのですが、ふとあるものがひらめきました。
第2種電気工事士の資格を取る際に、実技試験の練習用に購入して余ったリングスリーブと圧着ペンチが出番なく道具箱の下に埋もれているのを思い出したのです。大きさもちょうど良さそうです。
第2種電気工事士
なにそれ?
一言で言えば、自宅のほとんどの電気配線を行える資格です。一般に良く言われるのが、
- 壁にあるコンセントから居室側にデーブルタップのついた延長ケーブルを設置することは誰でもOK。
- 壁の中を通す電気ケーブルを配線し直したり、新たに壁にコンセントを設置したりするのは第2種以上の電気工事士の資格が必要。
と言うことです。
私はの持っている電気を必要とするガジェットの数は多いので、とても元からあるコンセントでは足りないし、そもそも実際に必要なところにコンセントは無いものです。自分でコンセントの増設ができたらいいのになー、とはだいぶ昔からつらつら思っていたのですが、5,6年ほど前に会社の同僚が第2種電気工事士の資格を取ったので、刺激を受けてその翌年私もチャレンジしてみました。
試験は?
筆記試験と技能試験があります。
筆記試験はネットにはたくさんの情報サイトがあり、試験練習用のアプリもありますので色々目を通してみましたが、私はこの本で勉強しました。
筆記試験に合格すると、机上での模擬配線を行う技能試験があります。机上なので壁などは全く無い状態で純粋に配線の正しさを表現する試験です。「欠陥」と言われる不備があると一発アウト!のなかなかスリリングな試験です。これは事前に公開されている 10数個の「候補問題」から一つが当日出題される仕組みになっています。試験準備としては、全ての候補問題を何回も事前に規定時間内に配線できるかを繰り返し行なって習熟しておく必要があります。
ちなみに、何が欠陥となり得るか?なにを間違いやすいか?などやはりこの本を熟読して事前準備を繰り返しました。
資格を得られてよかった?
良かったです!「資格が増えた」というだけではなく、実際の工事に必要な電気配線の最低限の知識も得られますので、自信を持って配線図を書き実際に工事することができるようになります。勉強しなければコンセント、スイッチ、負荷(電気機器)の接続ルールなどわかっていませんでしたから、試験勉強なしにテキトーに配線していたら火事になっていたかもしれません。
「自分でもちゃんとできるんだ!」とさらに自信が得られると、ちょっとした「ここにコンセントがあればなぁ」という不便に対応できるようになり、実際 5箇所以上作業を行えました。(素人なのでその程度ですが...)
電気配線以外にも以前にご紹介したような LAN ケーブルの配線工事もそれなりの自信を持って行えるようになりました。
この資格だけあれば電気工事の作業は簡単にできるの?
LAN ケーブル配線も電気工事士の資格が必要なの?というとそんなことはありません。また電気工事士の資格だけあれば電気工事が楽々できるようになるかというと、実はそうでもないのです。
技能試験のところでも軽く触れましたが、電気工事士の資格範囲には実際の家の構造やそれを前提とした配線の取り回し技術は全く含まれず、純粋な配線部分に特化した知識と技能が問われているのです。
しかし、実際にコンセントを増設するためには、天井や壁の中をケーブルを通すことが不可欠です。いくら配線図が書けたとしても、電気の共有元となる箇所から実際にコンセントを設置する場所まで、実際の家にはさまざまな障害物があって、どちらかというと電気工事士の資格とは関係ない、インテリア関連の工事知識と技能、工具などが不可欠となりますし、準備も含めた作業量はそちらの方が圧倒的に多いです。。私の技術だと壁の中を自由にケーブルを這わせることができないので、やむなく壁の外にモールを這わせて工事したこともあります。そうなると「んー、ケーブルタップを引くのとあまり変わらないなぁ」という少し残念な気にもなってしまいます。しかし、家の新築やリフォームの際に石膏ボードやクロスを貼る前とは違い、プロの電気工事士の方でもすでに完成している壁の中を横断するケーブルを配線するのは難しいと思います。
(後から勉強したことですが、大抵壁の中には間柱と呼ばれる柱がたくさん設置されて家の強度の維持もになっているので、間柱を切断したり貫通させるのは難しく、そうなると天井裏を這わせる必要があります。しかし天井裏の配線はまたそれなりに難易度が高く。。。)
素人だと限られた範囲での電気工事しかやらない
自宅の中の配線だと色々ある規格の電源ケーブルのうち限られたものしか使いませんし、三相交流回路とか変圧器も三相誘導電動機も登場しません。細かいものでは技能試験の練習中は「これは実際にも多用するだろうな」と思った配線の結線用の金具であるリングスリーブや差込型コネクタなんて実際には一度も使ったことはありません!大抵は既存のコンセントやスイッチボックスからの延長であり、いずれにもケーブル接続のコネクタが備わっているからです。
結局電気工事士の資格があるとなにが良いの?
どのような資格であっても持っているだけではそうそう良いことがあるわけではありません。 私の場合次のような実感を持っています。
- 実際に必要としている家の電気工事が自分でできるので、「お、ここに電源が欲しい/コンセントが欲しい!」と思ったら直ぐに対応できます(できないこともありましたが)。
- 実際の工事にあたってはインテリア工事関連の作業が不可欠なので、そういった工事の知識(と工具)も増えて、電気工事ではない軽いインテリア工事も自分で気軽にできるようになった。
- そうなるとだんだんできる軽い工事も増えていく。
メガネストラップの修理
メガネストラップの修理のために取り出したのは、技能試験以降活躍の機会がなかったリングスリープと圧着ペンチです。圧着ペンチも当時自分の握力に合わせて大型のものを購入したのですが。。。
と言うわけで、長々と電気工事士の話を書いてしまいましたが、練習用に購入したリングスリーブがたくさん余っていたので、それをメガネストラップの修理に持ち出した、というお話でした。