最初はコンデンサ、コイルの動作原理をしっかり理解したい、から始まったのですが、一人で実験をするのもなんとなく道標がなく、どうしてもアウトプットが得やすい方向に走ってしまいます。それに本屋に行ってみてもネットで検索しても「電子工作」としては Raspberry Pi や Arduino を組み合わせたものが非常に多いようです。かつ、これらはハンダづけ不要でブレッドボードと呼ばれる差し込み式基板に Arduino なり Raspberry Pi を始め抵抗や LED などの素子も基盤の穴に差し込むだけで回路が組め実験ができるようになっています。 しかし、1アマ試験勉強をしていた頃の休息として YouTube でイチケンさんや熊五郎さんの動画で華麗な?ハンダ付をみていたため、自分でもハンダ付けちゃんとやってみたくなり、ハンダ付を必要とする二つのキットにチャレンジしてみました。
山崎教育システムの エコキューブラジオ 3 --- 実用性あり
タモリ倶楽部で取り上げられたというラジオの組み立てキットです。ラジオのキット自体は結構色々あるのですが、熊五郎さんが組み立てていたのをみて自分でも組み立ててみたくなりました。 youtu.be
ハンダ付けの視点でみると、キット内の同梱物に練習用の基盤と抵抗などを試しにはんだ付けするパーツが入っているので、初心者にも優しい構成になっています。
ラジオ製作、という視点で見ると、熊五郎さんも動画でコメントしていましたが実質的には電源まわり(リチウムポリマー電池、太陽電池、発電機)の配線が中心で、特にラジオ部分を自分で細かく製作するわけではありません。
それでも実際に後で邪魔にならない程度のデザインのキューブ型ラジオが組み立てられるので、私にとってのトータルの満足度は高いものでした。ラジオも日常生活では radiko で聞くことが多いですし、それこそ無線機 (ic-705) の方がしっかりした音が出ますが、寝る前のひと時ラジオ付けてみる、というのも懐かしい感じを楽しめます。
太陽光発電パネルも付いていますし、いざとなればハンドルを回して充電することもできます。リチウムポリマーバッテリーも規格品のようなので劣化したら自分で交換できるので、災害対策にもバッチリです。
ちなみにこれはどうやら学校などの教育機関が購入して生徒に使わせるキットのようで、一般のネットショップでは取り扱っていないようです。下記の電子カタログの山崎教育システムにメールで問い合わせると購入方法を案内してくれます。なお私が購入したときは、半導体不足の影響か Bluetooth モデルは在庫切れで一昔前の 3 型しかありませんでしたが、Bluetooth で聞くなら iPhone 経由で聞けば良いので 3型でも問題ありません。
IoT 学習 HATキット(Raspberry Pi Zero WH用)--- 実用性よりラズパイテスト環境構築?
こちらはハンダ付けも少し高度になりましたし、Raspberry Pi Zero WH と組み合わせるのですが、一部テストプログラムに若干手こずりました。
HAT とは?
私も知らなかったのですが、Raspberry Pi や Arduino など小型コンピュータでは周辺機器の接続性を高めるこのような補助ボードが出回っているようです。
Raspberry Pi HAT は、 Raspberry Pi の機能を拡張するアドオンモジュールの一種です。 IoT 用途に活躍するさまざまなHATをご利用いただけます PoE 、 時計、 センシング、 ディスプレイや冷却装置 - 幅広い製品ラインアップからお選びいただけます。HATが他のアドオンモジュールより優れている点は、単純にプラグアンドプレイで使用できることです。 Raspberry Pi には GPIO (汎用入力出力)が搭載され、プログラムされたコードを使用して他の電子機器やハードウェアとやり取りできます。
この 「 IoT 学習 HATキット」とは?
この HAT は Raspberry Pi シリーズの中でも安価な Zero シリーズをベースに IoT教育用の拡張性を持たせたもの、ということのようです。私自身は特に他の HAT を比較吟味したわけではなく、たまたま秋月電子の店頭で見かけたので買ってみたものです。
Raspberry Pi Zeroを中心とした 高専発IoT活用キットの展開について
この HAT には各種センサーなどの接続コネクターを備えていますが、HAT 自体に LCD やブザー、3顔の LED が搭載されており、基本的なデバイスの Raspberry Pi からの操作を確認できるようになっており、そのためのサンプルプログラムも提供されています(秋月電子の販売ページよりダウンロド可能)。
実際の製作はエコキューブラジオより少し難易度が高い
結局ちゃんと動作しましたが、ふたつ難易度が高いかな、と思った点があります。
1. LCDのピンピッチが他の部品より狭いのでブリッジしそう
このキットに取り掛かる前に標準ピッチのピンヘッダをはんだ付け練習用にいくつか買って、基盤へのハンダ付練習をして臨んだのですが、HAT の基盤に取り付ける LCD のピンピッチが標準より狭いのでブリッジしそうになりかなり緊張しました。この辺りはブレッドボードの組み立てキットでは味わえないスリルかも?
2. テストプログラムが動かない!
この HAT に関しては販売している秋月電子のページからテストプログラムをダウンロードできます。
test1.py, test2.py までは LED 点灯とブザーから音階を出すテストプラムが一発で動きましたが、LCD に文字を表示する test3.py がエラーで動きません。「もしやハンダ付けが悪かったからかも??」と不安になりましたが、どうやらテストプログラムが Python 2.7 でテストされていたから?なのかプログラムの 2ヶ所修正が必要で、修正したらちゃんと動きました。
test3.py の import 文のエラー
test3.py の
from Display import Displa
でエラーとなっています。実際は from の方の display.py がみつからない、ということでした。これを
from display import Displa
に修正して OK.
display.py の argument must be a list of..
test3.py から呼ぶことができるようになった display.py の
def put(self, msg): self.i2c.write_i2c_block_data(self.addr, 0x40, map(ord, msg) )
self.i2c.write_i2c_block_data の三つ目の引数である map(ord, msg)
がリスト形式でなければならない、というエラーのようです。正直 map() 関数も、ord() 関数も馴染みがなかったのですが、 list(map(ord, msg))
としてエラーは消えました。
ということで、設計はできないものの組み立ては少しだけ実績ができました。本来はこの HAT を使って色々試してみるのが良いのだと思いますが、他にも1アマ試験勉強中に購入してしまったパーツがあるので、そちらにも目移りして悩ましいところです。