KuriKumaChan’s diary

Kuri ちゃんと Kuma ちゃんの飼い主の独り言

年賀状印刷 - はがきデザインキットに代えて Epson Photo+ に移行する

未だに年賀状のやり取りは続けています。家族からは定年と共にやめたら?と言うプレッシャーもありましたし、そもそも会社で仕事をしている時も「紙媒体廃止」を前提に効率化を進めて来たのですから一度は止めようと思いました。さほど年賀状という紙媒体に拘りはないのですが、結局は「お互いの生存確認の証」として毎年何千円か使っています。
2023/01/01 追記あり

「はがきデザインキット」が利用できなくなった。

その年賀状の作成ですが、さすがに完全手書きの年賀状を出していた訳はなく、社会人になって子供が小さいときはプリントゴッコ、その後数年が「筆XX」といったソフトを使っていました。そういったソフトは比較的安価で販売されていましたが、何年か使ったあとはここ長らく日本郵便の無料の「はがきデザインキット」のインストール版を愛用していました。
大した使い方をしていたわけではないので特に大きな不満もなく使い続けて来ましたが、今回の年賀状の準備で起動したところメッセージが表示され、機能的にもう利用できなくなっているようで、住所録データだけ書き出して後継の 「Web 版」を利用するように、という案内が表示されました。
元々 Adobe Air というフレームワークを使ったアプリで、この Adobe Air が Flash を前提にしていたという話は聞いていたので、「とうとう来たか」という感じで冷静に受け止めました。 一瞬 Web 版を試してみようかとも思いましたが、Web 表示からの印刷だと経験上印刷ポジションの微調整がうまくいかないことがままあるので、他のアプリを探して「そういえばエプソン提供のアプリがあるんじゃないか?」と思い調べたところ、どうやら "Epson Photo+" というアプリがはがき印刷も想定した機能を持つことがわかり、今回(から?)はこれで行くことにしました。たかが年賀状の印刷ですから、必要な機能は提供されているはずです。

「はがきデザインキット」の特徴

何年もお世話になった「はがきデザインキット」を振り返っておきます。

何と言っても無料

デザインテンプレートなどもついているのですが、私の使い方としては、

  • 住所録ファイルをもとに宛名面の印刷.
  • 自分で用意した簡単なイラストを通信面に印刷
    これだけの使い方なので、機能的には十分でそ使い続けて来ました。

細かい設定なしに使えた

通信面は jpeg/png ファイルの画像を任意の位置に配置し、適当な文字をレイヤーで置くのは誰にでも簡単に利用できるものでした。
宛名面もフォントの選択はありましたが、住所も氏名も大体良さそうな大きさ/配置にしてくれるので、あまりそれを調整した記憶がありません。
ただし、ハガキの郵便番号欄への印字に関しては、プリンターを選ばない汎用ソフトなので、微調整は必ず必要でした。しかし、年に一度設定/確認すれば良いだけです。

発信/受領の記録を保存できる

過去3年分の発信/受領の記録ができます。「過去3年分」固定なので、それ以上遡って確認することはできませんが、
「去年は送った/受け取ったかな?」
「この正月は喪中だ」
ということが住所録表示でひと目でわかるのが結構気に入っていました。

「Epson Photo+」の特徴

一方今回から使い始めた「Epson Photo+」を一回だけですが使った印象を書き留めておきます。

良いところ

当然エプソンプリンター利用にあたって無料です。手元にエプソン以外のプリンターがないので他社のプリンターで使えるか確認はしていませんが、下に述べるように他社プリンターにわざわざ利用するほどの素晴らしい機能というものは無いような気がします。
はがきデザインキットから乗り換えて最初に気づいた良い点は、宛名面の印刷で郵便番号欄の位置調整を行わず一発で欄の中央に郵便番号を印字できたことでしょうか。

改善してほしいところ

正直いって、もう少し高い完成度のソフトだと思っていましたが、結構気になるポイントがありました。

起動に時間がかかりすぎ

Windows 版ではもしかしたら早いのかもしれませんが、あまり多くの機能があるわけでもないのに起動に時間がかかります。私の Macbook Pro 2021 で試してみた結果ですが、比較的起動に時間のかかる Lightroom Classic で 12秒で起動するのに、Epson Photo+ は 38秒かかりました。インテル版の MBP 2019 でも似たようなものなので、M1 だからということでは無さそうです。

プログレスバーはこの位置でずっと止まっている

宛名書きの住所や氏名のレイアウト、フォントサイズの変更が不可欠 --- 最大のフラスト

もしかしたら私の使い方がおかしいのではないかとも疑ってしまいますが、少なくともフォントサイズは変更することが不可欠です。標準ではとても小さいポイント(フォントサイズ)で非実用的な設定です。しかも大きくポイントサイズを増やさなくてはならないのに +/- ボタンしかないので + を押し続けるというめんどくさい UI。住所はさらに 2列書きか 3列書きかを列ごとの別フィールドに設定しなくてはならない。はがきデザインキットでは適当に分割してくれたような気がします。少なくともインポートした住所データを、列ごとに分割する手間がありました。
さらにフラストが大きかったのが、宛名のフォント/レイアウト情報がどのように保存/管理されているのかよくわからないところ。年賀状なので当然複数の宛先をまとめて印刷します。「あ」から始まって最初の数人分は一人ひとりの宛先面でフォント/レイアウトを個別に調整する必要がありました。一度設定した内容をそのまま覚える、という仕様ではないようです。しかしそのうち設定が次の人にも反映されるようになるという謎仕様ですが、たまに設定がリセットされてしまう人がいるようでした。少なくとも宛先を一通りの印刷後に追加すると、その人には今まで印刷した人の設定は反映されないようです。
これはとてもストレスの溜まる作業で、「とりあえず一通り印刷したら終わりだから」と自分を慰めて印刷し終えました。

発信/受領の記録は出来ない(印刷済みの記録はできる)

住所録に「印刷履歴」という列があり、一度印刷すると「印刷済」と表示してくれる機能があります。
しかし、これは次回(今年の 12月)になったらどう表示さるのか全く予想できません。また当然手動にはなりますが受領の記録をつけることもできません。なんだか中途半端な仕様に感じられて仕方がありません。

結論としては、特に宛名書きが変になることもなくきっちり印刷はできたのでよしとしますが、もしかして年賀状を書いたことがない人が設計したのではないかと思うような中途半端な機能で、一応インクジェットプリンターでは日本を代表するエプソンさんにもう少し気合を入れてもらいたいな、と思ってしまいました。

【追記】2023年年賀状印刷にも使ってみて

昨年からほとんど変わっていなさそう

2023/01/01 追記
おそらく前回の利用からアプリのバージョンは少しは上がっているのではないかと思いますが、UI や機能の改善は無いようです。
さすがプリンターメーカー製アプリだけあって、ハガキ印刷などは郵便番号の枠などピッタリですが、ですが、昨年の不満である軌道時間の問題やレイアウトはどのタイミングでどの範囲を覚えるのかなどがよく分からないのが不満のままです。
まぁ、年に一度の利用なのでさほどめくじらを立てるほどではありませんが。

2023年年賀状に利用したバージョンは v.3.7.0.0

PDF 出力ができない

プリンターメーカー製だからかもしれませんが、作成した原稿を PDF 出力することはできないようです。 もう少し正確に表現すると「プリンターの選択ができない」からプリンターとしての PDF 出力もできないと言うことです。プリンターの選択方法自体忘れてしまいましたが、Epson Photo+ が稼働するネットワーク上のプリンターを自動的に見つけてきたのだと思います。言葉を変えるとエプソンのプリンターにしか出力できない、ということのようです。

特別使いやすいアプリでは無いので、わざわざこのアプリからキヤノンのプリンターに印刷したい人はいないと思いますが、昨年作成した年賀状を PDF にして残しておきたいな、と思ったのですがそれができなかった、というレベルのことです。対応としてはレイアウト画面のスクリーンショットから PDF にして残すことにしました。

原稿ファイルや素材ファイルは作成時点のフォルダから移動すると原稿が使えない

まぁ、これもあると言えばある話ですが、原稿ファイル (”.etdx”) と同一フォルダに各種原稿ファイルが存在したら読み込んで欲しいのですが、原稿作成/印刷後に素材ファイルをバックアップ用フォルダに移動した後では再び原稿を開くことはできません。せめて、読み込もうとしたファイルパスを表示してくれればそこに素材ファイルをコピーすれば良いのですが、原稿作成時にどのフォルダで作業したか忘れていると原稿の復元が困難になります(私はデスクトップで作業してから別のドライブの保存用フォルダに移動していました)。