KuriKumaChan’s diary

Kuri ちゃんと Kuma ちゃんの飼い主の独り言

リチウムイオン電池 "14500" (3.7V)について調べてみた → 買ってみた

Ledlenser MH5 で初めて知った 14500 と言う規格?の充電池について調べてみました。私は今回初めて知ったのですが、調べてみると結構昔から存在していてフラッシュライト類、写真用ストロボなどでは結構使われているものだとわかりました。
で、買ってみました!

リチウムイオン電池 “14500” について

“14500” - 名称に意味はあるの?

下の図が分かりやすいですが、"14500" は "14" と "500" の組み合わせで、直径 14mm、長さ 50mm を表しているそうです。ただし、実際は長さが 52.5mm 前後となっていて、それは保護回路が内蔵されているからのようです。単三(AA) の JIS 規格では高さが「49.0 - 50.5」mm だそうですから、保護回路は 2mm 程度の厚さに収まっているのですね。またさらに高さはもっと長いものもあるようで、厳格なものではなさそうな印象を持っています。

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出典を忘れてしまいました🙏 わかり次第更新します。

直径と長さで表される他のリチウム電池として、単4電池に近いものやもっとサイズの大きい "17670", "18650" などいろいろあるようです。

“14500” - 特徴は?

電圧が高い

これは "14500" の特徴というよりはリチウムイオン電池の特徴ですが、電圧は 3.7V だそうです。 MH5 の話で「 1.2V のニッケル水素電池を 3個直列につないで 3.7V にしているのでは」と思いましたが、そんなことはしておらずリチウムイオン電池単体の電圧だったようですね。

“14500” - 単三電池とほぼ同じサイズ

"14500" が表すようにほぼ単三電池と同じサイズです。微妙に長さが長いのですが、LEDライトでは単三でも "14500" でも使えるものが多いようです。Ledlenser で言えば MH5, MH3 がそうですね。「単三に代えてより高性能(高電圧)の電池が使える」と言うのは LEDライトにはイイことのようですが、逆にほぼ同じサイズで電圧が違うと言うことは通常の単三電池 (1.2V, 1.5V) しか使えない機器も多いはずなので、「間違えて使うと危険」と言うリスクにもなります。

その他リチウムイオン電池としての特徴

ご存知のように最近のスマホ、デジカメなどから自動車 (HV/EV) まで幅広く用いられているように、エネルギー密度が高い、メモリー効果が無い、自己放電が少ないなどニッケル水素充電池などに比べたアドバンテージがあることはみなさんご存知だと思います。 電池自体の特徴ではないかもしれませんが、ニッケル水素充電池に比べると高度な充電管理を行なっているようで、充電器に容量を %表示してくれるものもあります。

“14500” - 規格はあるの?

Wikipedia の「乾電池」 によると乾電池の規格としては IEC 60086 / JIS C 8500 などがあるようです。しかしこの中にはリチウムイオン電池の記述はありません。"FR6" とか "FR03" とあるのは充電池では無いリチウム電池のことですね。ここはあくまでも一次電池としての乾電池の記述のようです。

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Wiki[edia 「乾電池」より

同じ Wikipedia でも「リチウムイオン二次電池」の方には一応規格と言う記述がありますが、これは単にサイズ名称の意味であり、公的な仕様を定めた規格ではなさそうです。

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Wikipedia 「リチウムイオン二次電池」より

ネット情報の斜め読みでしかありませんが、“14500” の規格として明記されたドキュメントは見つかりませんでしたので、何かしらの公的機関が定めた規格は無いのではないかと思います。Wikipedia 「リチウムイオン二次電池」の「市販形態」の記載にもあるように、本来リチウムイオン充電池は単三のような形状のまま市販することは想定されておらず、安全回路などを持った強固なパッケージに入れて流通させるものなのでしょうね。

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Wikipedia 「リチウムイオン二次電池」の「市販形態」

そう考えると、筒型で市販/流通させると言うのはあまり推奨されないことなのでしょう。

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別途単体で購入した Keeppower の 14500 。おどろおどろしい注意喚起の表示としっかりしたケース入り 。

“14500” - 用途は?

リチウムイオン充電池自体は上記のようにスマホから自動車まで幅広く使われていますが、“14500” などの単三のような形状のリチウム電池は意外と用途は限られているようです。

なんと言ってもフラッシュライト!

私は今回 (2020年) 初めてその存在を知りましたが、世の中では 2012, 2013年位から多く使われてきているようです。

http://ryoex.jugem.jp/?eid=6446

充電式フラッシュライトに乗り換え中 - ケータイ Watch

ストロボ

ネットで販売されているだけではなく店舗でも販売されて流通しているような “14500” を使用する製品はないかと眺めていたら、写真用ストロボメーカーのニッシンから販売されているストロボが “14500” の使用を紹介していました(安全上の注意は強調していますが結構ポジティブに紹介しているようです)。

www.nissin-japan.com

“14500” - 注意点は?

“14500” にかかわらず基本的にリチウムイオン電池は取り扱いに注意を必要されているものです(ボーイング 787 の就航日に乗ったらそのすぐ後に煙が出たと大騒ぎになりました。)。しかし、“14500” が店舗等ではほとんど販売されていないことや、実際に生産している大メーカー(パナソニックやソニーなど)も積極的に小売では販売していないところをみると、世の中に製品として流通しているデジカメ用バッテリーやモバイルバッテリー以上に気を使うものなのだと察します。

歴史があって(多分)今でもメジャーなニッケル水素電池とは別物(互換性なし)

多分ある一定程度の年齢層しか知らないと思いますが、50年くらい前の充電式ライトといえば下の写真の「SANYO カドニカライト」が有名でした。私は小学生だったと思いますが、このカドニカライトで「充電できる電池」と言うものの存在を知ったと思います。

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「SANYO カドニカライト」Amazon から拝借してきました。もちろん販売はしていませんが商品の掲載は残っていました。
中学生の時なんとかストロボを買ってもらいストロボで遊んでいるとすぐに電池(充電できないマンガン電池やアルカリ電池)がなくなってしまいます。そこでカドニカライトで使われていたニッケルカドミウム充電池の単三型を買ってもらった記憶があります。しかし名前の通り有害なカドミウムを含有していると言うことでより高性能なニッケル水素充電池に移行していきました。それからエネループ / エボルタが出てきてストロボだけではなく各種リモコン、時計、メトロノーム、スピーカーなどに利用が広がりました(少なくとも私の家では常時充電済み単三、単四のエネループがケースに入っており、充電器もすぐに出せる状態になっています。)ちなみにニッケルカドミウム充電池もニッケル水素充電池も電圧は 1.2V です
と言うことで世の中に量販店でも普通に販売されていて、たくさんのニッケル水素充電池があるのですけれど、ほぼ単三と同じ形状で 3.7V の 14500 を間違えて使ったらきっと各種機器が一発で壊れそうです。壊れるだけならまだ良いですが、エネループの充電器に 14500 をセットしたりしたらどうなることやら。恐ろしいことになりかねません。マンガン電池、アルカリ電池、ニッケル水素電池などと絶対に混ぜない/間違えないように十分な注意が必要ですね。しかし、現実的にはいくら注意を呼び掛けたとしても、実際に利用する人の大半はあまりこの手の話に詳しくない/興味のない人でしょうから、いくら注意を呼び掛けたとしても形状がほぼ同じ単三形状のものが手元にあったら高い確率で混在利用されてしまっても不思議ではありません。この辺りがあまり "14500" リチウムイオン電池が店頭に並ぶことにならない理由かと思います。

使用できる機器は多く無い

Wikipedia の市販形態の引用にもあったように、リチウムイオン充電池としては単三のような筒型の流通は想定していないようなので、“14500” を主として利用する機器がたくさんあるわけでは無いようです。ですので上記のようにもっぱらフラッシュライトといくつかのストロボくらいしか見当るものがありませんでした。フラッシュライトは LED 化がほぼ 100% 進んでいて 3.7V 対応も容易だったのかもしれません(詳しくはわかりませんが)し、両方とも比較的パワーを必要とするもの。テレビのリモコンにはパワーは必要とされていないですよね。しかし今後他にも用途が拡大してくると良いのですが。

専用の充電器が必要

当然ですがほぼ同じ形状とは言ってもエネループ(ニッケル水素充電池)の充電器では充電できません。専用の充電器が必要になります。

規格が無い(結構高さには差がある)

上にも書いたように、サイズとしても 14500 は厳格では無いようです。例えば単体で(充電器が無くても)Micro-USB で充電できる 14500 なんてものもありましたが、かなり高さが違います。これだけ違うと電気特性としては使用できたとしても形状として使えない(蓋が閉まらない、等)機器もあると思います。そのくらいユルイ 14500 だとど素人にも安心して使用できるとは言い難いですね。

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同じ 14500 の高さ比較。左からエネループ、Wuben のUSB充電端子付き!、Keeppower。目で見て分かるくらい高さが違います。
store.shopping.yahoo.co.jp

保護回路の有無

リチウムイオン充電池にはパッケージとしては必ず保護回路が必要だそうです。多くのものが保護回路付きとしていましたが、明確に保護回路無しというものもありました。保護回路の有無に関しては私が見たものは必ず明記されていましたが、保護回路無しのものも同じように売っているのはやや心配な感じです。


そうは言っても“14500” 単体を買ってみた!

いろいろ注意点はあるものの、興味津々で欲しくなっちゃいますよね、こういう高性能ガジェットは。

評価の高いメーカーは?

ということで物色してみました。まずテスラの電気自動車のバッテリーで有名な Panasonic のリチウムイオン電池の業務用ラインアップをみてみました。すると 14500 はラインアップされていませんでしたが、18650 は製品ページがありました。これは一つ一つのセルに保護回路があるもののようですね。しかし欲しいのは 14500 なので他を調べようと考えていると、なかなか公的なものもデファクトなものも規格がないというのはなかなか安心できないもの。そうなると何らかの検証をしてくれている(だろう)組織の評価を参考にしちゃいます。上で参照したストロボのニッシンに動作確認済みという紹介ページがありました。ここで確認されているのが Keeppower というブランド。軽く調べてみると、当然保護回路はついているしそこそこの評価もあるようなのでバッテリーと充電器を買ってみました。

バッテリーの評価というものは簡単に目に見えるものではないのでなかなか難しいですが、当然充電できましたしちゃんとしたケースに入っているところがイイ感じですね。
一方充電器の方は「表示(ディスプレィ)」があるので評価しやすいのかもしれません。今回買ったのは一本の充電用ですが、各種サイズに対応しているもので、現在の充電%が表示されます。エベループの充電器にも無い昨日なのでちょっとイイ感じ。アマゾンの評価では概ね高評価なのですが「99% から 100% になかなかならない」というコメントが多数。確かに実際に使ってみると 99% から先になかなか進みません(一晩充電したまま寝て起きたら 100% にちゃんとなっていましたが)。しかし 100% 出ないと 99% ではダメということでもないと思いますので、私はこの値段で充電容量も表示されることにビックリして好感度高いです。
そして Ledlenser の話ですが、このバッテリーを MH3 でちゃんと(より高輝度で)使えることも確認できました。現実に一泊のトレッキング やキャンプであればそんな高輝度も不必要で予備のバッテリーも気休めでしかありませんが(満充電一本で十分!)、高性能をお手軽に手にできる、というのはイイ感じです!
ということで、最近(高尾山から)始めたトレッキングのお供に予備バッテリーとして MH5 と一緒にバッグの中に。幸か不幸か天気も良かったので MH5 のお世話にもならず予備バッテリーの能力もあまり確認できず帰宅。

www.nissin-japan.com

参考情報

リチウムイオン電池の話

www.baysun.net

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(株)ベイサンの「リチウム電池の話」の目次

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Ledlenser 充電池

電池/充電機器www.ledlenser.co.jp