KuriKumaChan’s diary

Kuri ちゃんと Kuma ちゃんの飼い主の独り言

ゆるく電気・電子工作 - ガチの電子工作に挑む! - ソフトウェア・ラジオ 学習キット “Pico Stack SDR" [パーツ等調達編]

パーツ一式がキットになっている電子工作しかの経験のない素人の私にとっては、パーツ調達が一番思うように進みませんでした。秋葉原でパーツ屋さんは行ったことがあるので、店内でトレイに自分の欲しいパーツを一つひとつ棚から集めている人は見かけますが、オンラインで購入するというのはまた違った経験となりました。
今回はさらに基盤の製作発注するという点も初体験。

この記事で紹介している基盤をヤフオクで実費程度でお分けしています。興味のある方はどうぞ!

page.auctions.yahoo.co.jp

パーツや基盤調達のためにどのようなデータが公開されているか?

前回チラッとご紹介しましたが、これは YouTube の説明欄に細かく掲載されているので、データのリンク先も含めて YouTube を実際に確認していただきたいのですが、以下のデータが公開されています。

Pico Stack SDRの設計データ】
(1)回路図
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板
(2)基板製作用データ
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板
(3)部品表
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板
(4)組み立てマニュアル
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板
(5)使い方マニュアル
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板
(6)プログラム・ソース
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板

一応組み立てマニュアルを読んでみると、易しく(?)書かれているので「よし、設計はよくわからないけれども組み立ててみよう!」となりました。

【パーツ購入】基本はマルツオンラインで

電子部品のネット通販会社はいくつか耳にしたものはありましたが、 “Pico Stack SDR" の紹介を YouTube でやっているのが Digi-Key のチャンネルだし、主催しているのが Digi-Key の国内販売を提携しているマルツエレック株式会社ということなので、マルツエレックのマルツオンラインで調達することにしました。

[ハードル] Amazon でショッピングするのとはちょっと違う!

ダウンロードした部品表をそのまま注文用の部品表としては使えない

マルツオンラインにしたのにはもう一つ理由があります。この YuTube シリーズで提供されている部品表があるので、動画の主催のマルツならそのまま使ってワンタッチで購入できるのでは無いか?という甘い考えがありました。
しかし、ダウンロードした Excel の部品表はそのまま注文には使えないことがすぐにわかりました。理由は二つあって、一つは Excel の表がセル結合されていいたこと。もう一つは注文に必要なメーカー名の記載がないことです。細かい話はやめておきますが、一点一点メーカー探して指定する必要がありました。そこで半分挫折してアナログ基盤用のパーツだけは注文してデジタル基盤の方が後回しにしました。

種類が多すぎ!欠品パーツに「機能同等の代替品」は無い?

あとは在庫がない場合が結構ありました。「入庫まで数日」なんてのはめんどくさいのでそのまま発注しても問題ありませんでしたが、意外なことに抵抗に「納期 2ヶ月」なんてものがゴロゴロとあって、一旦発注はできてもメールで「どうする?」って確認メールが来ました。素人の怖いもの知らずで「同等品に替えていただけますか?」と聞いたら「同等品はありません。」と冷たい返事が。。。
ちょうどその頃試験勉強の真っ最中だったので、めんどくさいので納期の長いものはキャンセルして残りだけ発注した記憶があります。

1アマに合格したあと心に余裕ができたので、デジタル基盤用パーツとアナログ基盤で欠品となっていたパーツを一つ一つ自分なりに(適当に)代替品を見繕って発注。

結局秋月電子にも何回も足を運ぶ

マルツではスペーサー類が 100本単位でしか販売していないので、秋葉原の秋月電子にも足を運びました。あとジャンパを紛失してこれも秋月へ。

注文間違いは二つ

間違って注文して後から「こんなはずではなかった!」となったのもありました。 基本的にダウンロードした部品表にある Digi-Key の商品 url から辿れば間違ったものをオーダーすることはないのですが、商品番号で検索すると同じ番号でも仕様の異なるものがあったのです。三端子レギュレータ の "ta48m05f"。何気なく注文していたら実際に組み立ての際に「???」。。パーツの足が短くて太いのです。どうやっても基盤のホールに入らない。すぐには分からなかったのですが、間違って表面実装用のパーツを注文していたのでした。これも秋月電子へ直行。

もう一つはどうでもいいと言って仕舞えばどうでも良いのですが、アナログ基盤のボリュームに付けるノブの系が太すぎて隣のジャンパピンに当たるのでこれは今の所ノブなしのままです。

[感想]パーツの通販って大変だ(売る方が)

1点ずつビニール袋に入れてラベルが貼ってある!

驚いたのがパーツの梱包。電子工作のキットを買ったことはあるのですが、一つのビニール袋にいくつものパーツが入っていたので、そんな感じで送られてくると思っていました。しかし、なんと抵抗一本であってもパーツの種類ごとに一つのしっかりしたビニール袋に入れてあり、しかもその袋にはちゃんとラベルが貼られているのです!

デジタル基盤用パーツ
アナログ基盤用パーツ
これって、袋だって安くなさそうだし、袋詰めだって大変そう。これが機械化されていたら凄い!

趣味の個人相手だと手間はかかるし単価は安いし

基本的に単価の安いパーツが多いし、個人が工作用に買うパーツなんて全量でも大した金額でもないでしょう。確か 3,000円以上だと送料も無料。なかなか大変なビジネスだなーと思いました。

【基盤製作】は elecrow - 安い!と思ったけれど

[ハードル] 全く未経験の製造依頼ってどうするの?

今でこそ色々基盤製造に関する Google 検索をしたので、「こんなに製造メーカーがあるの??」というほど各種リコメンドが出てきますが、最初は全く土地勘のない分野でした。

どこに注文すれば良いのか?

最初はせっかくなのでパーツを買ったマルツオンラインを調べてみました。 基盤製造のページをを覗いてみると、お見積り例が載っていて

マルツオンラインの基盤製造のページより転載
「5枚で 2万円から」ということのようです。 思い切って海外に発注してみようかとネットを調べていたら、Buono さんの「初めての基板発注|KiCadで基板製造データを作ってElecrowで基板発注する方法|1枚あたり100円で作れます」をみて Elecrow に発注してみました。なんといっても「1枚あたり100円で作れます」というのに惹かれました。

youtu.be

しかも、この動画では設計データ(ガーバーデータと呼ぶようです)の作成方法から簡単に紹介していますが、なんといっても手元には別府さんが作成してくれたデータがダウンロード済みなのですから単に設計ファイルを送れば基盤製作を発注できそうです。

Elecrow のホームページより
www.elecrow.com早速アカウントを作成し、Buono さんの動画を見ながらいくつかの指定事項を指定し、データのアップロードして発注しました。基盤関連でも当然色々な深みがあるのはわかっていましたが、ここで基盤にハマるのは避けようとあえて細かいことには目をつぶっていました。 費用は 10枚で合計 $20.25 !
今の円安で ¥140/$ になったとしても 3,000円弱です!マルツさんには申し訳ないですが、これなら何回も作り直したってリードタイムが許されれば海外に発注してしまいます。

項目 数量 小計
アナログボード 10枚 $4.90
デジタルボード 10枚 $4.90
送料 10 $10.45
そうは甘くない!設計データに対して質問がきた!仕方ないので自分で基盤設計を目視確認

さすがにそう甘くはありませんでした。Buono のさんの動画にもあるように、基盤製作上何かあれば確認のメールが来るといっていたメールが来ました。英文ですが言っていることは簡単で、
「発注時の基盤サイズの指定が 100mm x 100mm となっているが、基盤設計データでは 120mm x 100mm になっています。サイズを変更しますか?それとも指定のサイズに(圧縮して)作成しますか?」
と。そういえば基盤サイズの指定は何も考えず最小(最低価格)のままにしていたのですが、実際の設計データを確認していませんでした。そこで今更ですが、Bouno さんの動画にあった KiCad をダウンロード&導入して設計データを見てみるとやっぱり 120 x 100 となっていました。さすがに無理やり 100 x 100 に圧縮してもパーツを載せるのに問題が出そうな気がしたので、基盤サイズを 120 x 100 に変更してくださいと連絡しました。
すると、、、
基盤サイズアップによる製作費と送料の増加で追加で $54.00 必要だとのこと!思わずボッタクリバーか?!と思いましたが、それでも合計 $74.25 (≒ 10,400円(¥140/$ 換算))。マルツオンラインと比べて倍の 10枚を発注していますから価格は 1/4 。正直品質は私にはよくわかりませんが、きっと私がやるような電子工作なら全く問題ないのでしょう。

[感想]

意外と早い!製造終了の連絡から 4日で手元に届いた

追加費用を払わされたので、ちょっとネガティブな気持ちになり送料は最低料金の選択をしました。にもかかわらず、出荷完了通知メールからその日を含めて 4日目にちゃんと配送されました! 40 日もかかった AliExpress とは雲泥の差です。

ちゃんとした設計データがあればしっかりした基盤が手に入る!しかも 1枚あたり100円で作れます」は嘘じゃない!

私の場合は 120 x 100 サイズなので 100 x 100 に比べると送料こみで 3倍になってしまいましたが、100 x 100 であれば確かに 1枚あたり 100円で作れます。人の設計に依存せず自分で KiCad を使って設計できるようになれば、いろいろ安く楽しめそうな世界のようです。

パーツや基盤製造注文が面倒臭い!という方にはマルツのキットでお金で解決

私はパーツなどを自分で発注してみましたが、その手間や躓きを楽しむ時間的余裕がない方でお金がある方はにはパーツや基盤までセットになっているキットがありますのでどうぞ。

[講義ビデオ付き組立キット] 初めてのソフトウェア無線&信号処理プログラミング(基礎編/応用編) MZ-PICOSTACKSDR-ON1 ZEPエンジニアリング製|電子部品・半導体通販のマルツ


ということで、パーツ基盤調達編でした。 次回は実際に組み立てに関するお話をしたいと思います。