前回ご紹介した道具立てで実際に何カットかデジタル化してみた様子を書いておこうと思います。当面はモノクロ中心です。
Camflix FDA-135L の確認
望遠マクロレンズ 120mm は問題ないのか?
手持ちのマクロレンズの焦点距離が 120mm(相当)で、推奨焦点距離より長くて気になっていたのですが、結論として全く問題なく利用できました。おそらくもう少し焦点距離の長いレンズでも使用できると思われます。
FDA-135 本体は2本の鏡胴が組み合わさっています。写真右側(内側鏡胴)がマクロレンズの先端に取り付けられるもの。左側(外側鏡胴)がそれに被さるもので、両者の位置決めは左の鏡胴下の丸穴に右上のネジを締め込んで固定するようになっています。ねじ込んだ際にネジの先端が内側鏡胴に締め込まれて跡ができます。あとでもう少し詳しく説明しますが、フィルムの一コマギリギリをフレーミングするのは現実的ではないのである程度余裕を持って(周囲も写し込むように)する必要があります。この写真には何回か位置を変更した痕跡が内側鏡胴に残っています。この様子からもう少し鏡胴を長く取れそうだと分かります。
なお、内外の鏡胴は実用上十分な滑らかさで調整できます。
フィルムフォルダー - 一コマの長辺はほぼピッタリ、短辺は長めに
フォルダーの一コマサイズは長辺(36mm)側はほぼピッタリですが、短辺(24mm)側は実測 31mm ありました。 長編に関しては、コマ間のバーの幅がコマ間の幅とほぼ同じなのでコマ間がバーにほとんど覆われてしまいます。できればバーの幅を細くしてコマ間を覆う部分が狭い方が使いやすいと思います。フィルムをフォルダーにセットする際にしっかり位置決めしたつもりでもちょっとズレてしまうことがあり、その場合は左右のどちらかが少しケラれてしまうことになります。またフィルムの巻き上げ精度の低いカメラだとコマ間の長さにばらつきがあるので、6コマの最初のコマはぴったりだったとしても 6コマ目は左右どちらかがケラれている可能性もあります。フォルダーの素材自体は単なるプラスチックなので難しいとは思いますが、強度の高い素材でもう少し緻密な作りだと嬉しいのですが。 短編に関してはパーフォレーションの 1/4 くらいが入る程度外側に余白ができます。フィルム平面の確保のためにはあまり大きく余白を取ることはでき無いのだと思いますが、フィルムパーフォレーション外にあるコマ数も撮影できると便利なのですが難しいでしょうね(Pentax のデュプリケーターはできるらしい)。
フィルムフォルダーはがたつく
フィルムフォルダーは外側鏡胴先端部に左右どちらからでもスライドインさせる形になっています。一コマごとの位置で軽いクリックがあるので、次々と撮影していくには便利です。
撮影面にあるコマの光軸に対するガタは無いのですが、光軸に対して回転方向にはガタがあります。これはおそらくフォルダーの移動をスムースにするためにフィルム短辺方向にはフォルダーの幅より広めのスリットとなっているためだと思われます。このため実際にカメラで最初のコマを水平にセットしても、フォルダーを動かしていくにつれてフォルダーが傾いてきます。その為フィルムのコマに対してギリギリのフレーミングをしてしまうとフォルダーを移動した際にフィルムの一コマが斜めに欠けてしまうことになります。
そういった傾き補正のためにコマの周囲を大きめに撮影しておかなければなら無いので、デジカメの画素を無駄に使うことになる!なんてケチなことは言いませんが、取り込んだ後一コマ一コマ水平出しをするのが手間になるので、もっと精度が高い作りになると良いのですが。
カメラの設定
まずは下記の設定で使い始めています。
各種設定
絞り優先で F8。フラッシュ RC なので、下記のライティングで ISO 200,シャッタースピード 1/60 に設定されています。 三脚使用なので手振れ補正は off。
ライティング
前回ご紹介したように、ピント合わせのために LED ライトを使い、撮影用にストロボを RC (リモートコントロール)で使用。
ピント合わせ、撮影
AF。撮影は 2秒のセルフタイマーで。
記録フォーマット
RAW。
ファイルの保存・管理
QNAP にファイルを保存するのはデジカメ撮影と同じですが、デジカメファイルとは別にフィルムのデジタル化用のフォルダーを作成し、フィルム番号ごとのフォルダを作成することにしました。
本当はファイル名にも「フィルム番号 + コマ番号」を入れようかと思ったのですが、最初から凝りすぎても先に進ま無いのでファイル名は変更せずに使っています。
Lightroom では
カタログはデジカメ用と分ける
デジカメとはカタログを分けることにしました。
デジカメ写真は、私の枚数くらいでは単一のカタログで全く問題ないのですが、フィルム写真は今後どのように管理していくのか定かではないので別カタログでやっていくことにします。
上記のようにフィルム番号をフォルダ名に設定しているので、Lightroom のライブラリビューで特定のフィルム番号を指定することもできます。
取り込んだネガの反転
Lightroom や Photoshop 単体でモノクロネガを反転させる方法はいくつかあるようですが、私が試したのは Lightroom のトーンカーブで反転させる方法です。右上 45度の直線のハイライト(右上)を一番下に、シャドゥ(左下)を一番上に設定することでネガをポジに反転できます。
あとはシャドゥ域に余裕があるのでここを左に移動させればコントラストを高めることができます。
おそらく他にも色々な方法はあるのだとは思いますが、この延長で補正していくだけでもそれなりのプリントはできそうです。
が、全てのコマに対して調整するとなると手間がかかります。単純にハイライトとシャドゥの反転だけならバッチ処理とかできるかもしれませんが、コントラスト調整は一コマずつ行う必要があります。
36枚取りフィルム一本をデジタル化する所要時間は 1時間前後!
数本のフィルムを撮影し Lightroom で上記の加工を施して手順として確認してみたところ、
- 36コマ撮影: 15-20分
- 36コマ LR 加工: 40-50分
とほぼ1時間かかることがわかりました。
この中には機器の準備は含まれていません。フィルム 1本が 1時間というのは毎日の作業としてはちょっと厳しい感じです。
ちょっと何か考えなくては‥