KuriKumaChan’s diary

Kuri ちゃんと Kuma ちゃんの飼い主の独り言

ゆるくアマチュア無線 - アマチュア無線用アンテナを立ててみた

ID-52 を購入したら、CQ を出してみたくなり、送信が可能なアンテナを設置してみたというお話です。

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現在あるアンテナは受信専用

以前軽くお話ししましたが、10年ほど前に家のリフォームをした際にプロの方に航空無線用の受信専用アンテナを設置しています。あくまでも受信しかできない(送信するとアンテナが壊れるらしい)ので、アマチュア無線で送信するとなると今はハンディ機付属のホイップアンテナしかなく、流石にそれを家で使う分には近所しか飛ばないだろうと思い、送信できるアンテナを屋外に設置しようということです。

D777 120/300MHz帯エアバンド受信用アンテナ(10年前に設置)

2大考慮点を事前検討

いざアンテナを設置するとなると、「どこに設置するか?」そこから「同軸ケーブルをどう屋内に取り込むか?」が必ず課題となります。受信用アンテナの時はちょうどリフォームを行ったタイミングで大工さんに「これどこかにお願いします!」とアンテナと同軸ケーブルだけ私て、ステーなどは全ておまかせでした。
今回は自分で作業しなければならないので、ショップで入念に相談して購入するつもりでしたが、下見(候補場所の写真撮影)や最低限の検討なしに相談してもあまり有効ではないだろうと考え、想定される場所の写真を撮っておくことと最低限の長さの測定はしてから相談に行くことにしました。

アンテナの設置場所

最初は設置済みの受信専用アンテナを撤去してその跡に送受信アンテナを立てることも検討しましたが、折角ある広帯域の受信用アンテナはそのまま残して新たな設置場所を考えたいと思いました。庇に高さを遮れない場所を考えると屋根の上がベストですが、屋根上での固定に自信がなかったので、2階の物干し台の一角の柱にマストを固定しそのマストの上にアンテナを設置できたらいいじゃん!となんとなく考えてみました。

既存の受信用アンテナ(青矢印)と並んで、物干し台の柱(赤矢印)にマストを固定してその上にアンテナを設置できたら..

ちなみに写真にある黄色矢印と数字 (長さ) は、最後に書いておきますが BOSCHのデータ転送レーザー距離計で測定した長さです。

同軸ケーブルの取り込み

同軸ケーブルはすでに受信用アンテナからエアコンダクトを通して引き込みを行っていますので、同じところにもう一本くらい同軸ケーブル通すのは問題無いだろうと考えてみました。ウォールカバーの化粧蓋を取り外してみて、少しパテを押しのけてみても結構キチキチな状態。新規同軸ケーブルが余裕で入る状態では無いですが、ちょっと工夫すればなんとか通せる感じでした。

このエアコンダクトに新たな同軸ケーブルを通す計画

エアコンダクト取り込むのウォールカバーの化粧蓋を取り外したところ。ここになんとか同軸を通せないか。

室内側エアコン本体の裏側。結構エアコン関連のホース類が太い...

外壁部分の化粧部蓋を防水処理していたシール材を剥がしてかつパテも一旦剥がしてしまったので、あまりこのまま長期間放置しておくのは水漏れの原因となりそうなので、施工はできるだけ早くしなければなりません。

富士無線電機で相談

なぜか秋葉原で私が感じ良いと思う富士無線電機。今時どこのアマチュア無線ショップでもあまりしつこい接客はありませんし、逆に質問すればなんでも教えてくれるます。でも私には店員さん(スタッフ、というよりはおじさんの店員さんという感じ)の説明が長すぎず細か過ぎずとなんとなく波長が合う、という漠然とした印象で、今回も相談に行きました。

アンテナの選定

他の多くの趣味に関しては、自分でカタログスペックを元に自分に合う製品を選ぶ自信はあるのですが、アマチュア無線ではそこまでスキルが有りませんので、今ある受信専用アンテナと物干し台の写真を見せて、「どうしたものでしょうか?」と丸投げの質問。前提はこの前購入したハンディ機の ID-52 を利用するということ。つまり 144MHz/430MHz に限定した運用ということくらいです。
すると(多分そんなに主な選択肢は無いのだと思いますが)、今使っている受信専用アンテナと同じ形状のグランドプレーンアンテナが良いよ、とのこと。第一電波工業のシリーズで長さのバ リエーションで x50 (1.7m), X200 (2.5m), X300 (3.1m) くらいがいいんじゃないですか、と。

設置方法

設置方法はやはり物干し台の支柱はかなり強固なので強くお勧めとのこと。物干しがある家には必ずお勧めしているそうです。調整としてはどれだけマストを浮かせるか?ということくらい。無理しなければ最強だそうでしたので方式としてはこのやり方に決定!

最終構成と調達物

富士無線電機に相談に行って、「再確認してから買いにくるね!」と一旦は手ぶらで帰り、設置場所を決定の上ケーブルの長さも確定したり、その他小物を検討したりと出直して以下のようにしました。

アンテナ設置方法の再検討

私は上の写真の赤矢印部分の支柱(物干し台の手すりより上部、上記の写真にある「0.89m」部分)にマストを抱き合わせて少しでも上に上げるつもりでした。それが問題無いことを確認した上でマストやアンテナの長さを決めようと考えていました。そのつもりで物干し台の角形支柱にマストを固定するために試しにマスプロの「フェンス用マスト固定金具」を 1セット (2個) 購入して手すりの上の支柱に固定金具を取り付けてみました。

試しにフェンス用マスト固定金具を取り付けてみる

すると、固定金具取り付け前には気づかなかったのですが、手すりより上の支柱は物干し台とは一体化されておらず、結構グラつきがあることがわかりました。思いっきり引き上げたら抜けそうな気もします。そういえば富士無線電機のおっちゃんは確か「物干し台の支柱はかなり強固」と言っていたなと思い出し、マストを抱き合わせるのは物干し台の手すりより下の部分(上記の写真にある「1.13m」部分)とすることにしました。

富士無線電機で購入

結局富士無線電機に再度出向いて購入したのは以下のものです。

  • グランドプレーンアンテナ
    一応お店で「おすすめの機種によってどれだけ違いがわかりますか?」と聞いたところ、「正直耳だけではそんなにわかるほどでは無いと思うよ。」という心強い?アドバイスをもらって、 X200 (2.5m) にしました。他との決定的なメリデメはわからず、えいや!と決めました。

  • マスト固定用ブラケット「Uブラ UB-753」(x2)
    初めは事前購入して上でご紹介したマスプロの「フェンス用マスト固定金具」を利用するつもりだったので、手すりより下の支柱に新たに設置するため追加購入しようとするとおじさんが「強度の観点からあまりお勧めできない」とのことで U字型のブラケットを 2個購入。実際にはこのお勧めブラケット 2個1組に加えて、余っていた「フェンス用マスト固定金具」もブラケットの間に使ったのですが、確かに「フェンス用マスト固定金具」のマスト固定強度は今ひとつだったようです。ステンレスベルトを締め付ける、という構造が微妙で、ラチェット金具で締め上げるのですが今ひとつ十分絞められた感が無いのです。それにあまり強く占めるとステンレスベルトが切れてしまいそうな気がします。やっぱりプロのアドバイスの方が正しかったようです。

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  • 同軸ケーブル (5D-FB-LITE) 受信用アンテナには 8D というぶっいケーブルを使っていたのですが、家の中に引き込んだあと太くて硬いため取り回ししにくく懲りていたので、一般より低損失の 5D-FB という少し高価なものをお勧めされてこれに決定。実際に配線してみるとこのくらいの柔らかさが有った方が取り回しが楽ですね。

  • 当軸ケーブルコネクタと SMA型変換&取り回し用の細ケーブル
    お店で頼めば買ったケーブルに半田付けしてくれるようですが、エアコンダクトをギリギリで通さなければならないかもしれないので、M型コネクタは両端とも自分で半田付けすることにしました。合わせて ID-52 の SMA 型コネクタに変換するとともに取り回しの楽な細いケーブルも購入。ちなみに半田付けのスキルはすっかり低下しており、ちょっと見苦しい感じで悔しかったです。

  • ブチルゴム (ノンセパレーター自己融着テープ)
    あまり積極的にお勧めされたわけでは無いのですが、こちらから「防水処理した方が良いですか?」と聞いたら商品を出してくれました。。アンテナコネクタと同軸ケーブルのコネクタ間の防水用にコネクタ周りを延ばしてぐるぐる巻きにして、雨に濡れなくても結露でコネクタ部分が濡れ無いようにするとのこと。利用を推奨されたわけでは有りませんが、アンテナ本体(が2分割されている)の接合部分が思い切り締め付けることができなかったためここにもブチルゴムを巻いておきました。「思いっきり引っ張って 2倍くらいに薄く伸ばして巻いてね!」という言いつけを守ったつもりです。

ネットや近所のホームセンターで購入

マストは富士無線電機で「うちで買って電車で持って買えるの大変だろうから最寄りのホームセンターで買ったら」というご提案でしたが、ホームセンターから持って買えるのも大変そうなのでマストはネットで購入しました。

  • マスト (M250Z)
    マストも長さに迷いましたが、2.5m の M250Z にしました。アンテナ同様より長いものが良いとは思ったのですが、もう一つ上の 3.2m M320Z にはキャップが付いていないという大したことのない理由で 2.5m にしました。実際に設置した後の感触からすると、U字ブラケットで物干し台支柱にかなりガッチリ抱き合わせることができているので、3.2m のものを買ってキャップは富士無線電機で買って来ればよかったと後悔しています。なお、無線機/アンテナメーカーで私が探した範囲では私が購入したマスプロの製品一択でしたが、ホームセンターにはもう少しお安いマストが売っています。主にカーブミラーの設置などを想定したものらしく、あまり長い物はおいていなかったようです。
    しかし、こんな持ち歩きしにくい物(当然配達だってやりにくいはず)ですが、家まで届けてくれるというのはありがたいです。

  • エアコンパテ
    施工済みのパテが結構劣化していたような気がしたので、付け替えることにしました。エアコンパテを使うのは初めてだったので、商品を手にとって確認したいと思い近所のホームセンターで買ったのですが、1kg 入りしか売っていなくて余らせてしまいました。特に高価なものではなかったので、下手な心配せずネットで 200g 入りを買えばよかったと後悔しています。多分 200g でも余ったかも。
    ちなみに上の写真で分かるようにパテ自体はダクトとパイプ/ケーブルの隙間を埋めるために利用しており、雨水防止は化粧蓋を被せてその蓋の周りを次のシール材で埋めています。

  • シール材(変成シリコーンシール ) エアコンダクトのウォールカバー(詳しくは後ほど説明します)の蓋の周りには仕上げとしてグレーのゴムのような防水処理がしてありました。どうやらこれはパテとは別物のようです。ネットで調べると、屋外に用いるシール材としては用いられている変成シリコーンシールという素材のようです。これも取扱がよくわからないので最寄りのホームセンターに行って店員さんに説明を聞いてから、300円くらいのコーキングガンと一緒に買ってきました。昔からこの砲弾?のような形状のものはなんだろう?と思っていましたが、晴れて利用者に慣れました。
    これも1箇所使うだけだと多くが残ってしまいますが、高価なものではないので残りは捨ててしまいました。(ガンは取ってあります。)
    ちなみに、エアコンダクトという高い場所の作業で、決して最初にプロが施工したように美しく蓋の周りを塞ぐことはできませんでしたが、誰も見るものではないので気にしないことにしています。

なんの練習もなくチャレンジした成果。何か手頃なものでリハーサルしておけば良かった...

  • 結束バンド(耐熱)
    結束バンドは家にあるものを使おうと考えていたのですが、たまたま寄った大型ホームセンターの資材間にあった「耐熱」と書かれたロックタイが目に止まりました。使用温度範囲が「-40°C - 120°C」と書かれています。同軸ケーブルをマスト、物干し台の手すりなどに固定するのに使うとなると、当然かなりの高熱になるはずです。「120°C で大丈夫か?」とも一瞬思いましたがこれ以上のものが無いので、120°C で妥協することにしました。

作業と結果

あまり多くの組み立て作業を物干し(屋外)で行うのはなんとなく気が引けたので、長さ制限のないケーブルの接続とブチルゴムの巻き付けくらいまでは事前に部屋の中で行いました。
マストの接合やグランドのヒゲ接続などは屋外で行い、概ね順調に進んだのですが、「U字ブラケットを緩めて支柱の途中に浮かせたままマストを締め上げる」ことは不可能だと諦めました。ブラケット単体で支柱に固定することができないからです。きっと二人で作業するものなのでしょうね。日差しも強くなって焦りも出てき他ので、別途購入済み「フェンス用マスト固定金具」で一旦支柱にマストを借り固定することにしました。「フェンス用マスト固定金具」自体は先に支柱に固定できるので、一人でマストを持ちながらでも後から固定金具にマストを取り付けることができたのです。「フェンス用マスト固定金具」1個でマストを仮止めして後から上下に U字ブラケットで本格的に固定してなんとかなりました。
いくら事前にイメトレしておいてもなかなか現実はそううまくはいかないということを思い知らされました。
アンテナ&マストの設置、同軸ケーブルの取り回しや引き込みなどポイントになる部分はしっかり作業できたとは思いますが、上にも書いたコーキングガンでのシール材での仕上げは残念な出来栄えでした。まぁ水漏れはしない程度にはなっていると思いますが...

おまけ

おまけ 1- ダイキン DAIKIN ウォールカバー換気用丸 K-TLWX7AC

写真は上に掲載していますが、もともとリフォームした際に設置されていたものです。今回取り外したり新しい同軸ケーブル用の穴をドリルで開けたりすると破損する恐れがあったので、もしもの場合にどうしようかと調べてみるとネットで 500円ちょっとで買えることがわかりました。
エアコンのホース類だけではなく換気ダクトも合わせて通した場合のカバーのようですが、今後もし新たにアンテナを増設して同軸ケーブルが増えてきた場合にはこいつを使うことができるのでは無いかと思いました。ケーブル周りのパテだけで雨風虫を防ぐのは厳しそうですし見た目も良く無いので、こいつで蓋をしておくのが良いな、と思いました。

biccamera.rakuten.co.jp

おまけ 2 - BOSCHのデータ転送レーザー距離計 (GLM50C) と "MeasureOn"

これは電気工事士の資格を取得して家の中で色々配線を始めたときに購入したものす。電気工事やインテリア工事に必須かと言われるとそうでは無いですが、便利です。基本は金属製巻尺(コンベックス)を使うのでしょうけれども、巻尺を延ばしても一回で測れないような少し離れた距離でもボタンワンタッチで測定できます。複数箇所の長さを累積しなければならない LANケーブルを取り回す場合にも、部屋の中から廊下、階段、ターゲットの場所まで何回折れ曲がってもいちいち巻尺のメモリをメモして足し上げる必要もありません。

今まではレーザー距離計単体でしか使っていなかったのですが、今回は "MeasureOn" という iOS アプリを iPad に入れて使ってみました。 アプリに入っていたデモプロジェクトには図面に加えて写真や距離計で測距した値を管理するようなものが入っていましたが、今回私は写真にマジックで距離を書き込む代わりに、単に iPad で撮った写真をアプリに取り込んで、距離計で測距した値を Bluetooth で取り込んだだけです。

デモプロジェクトには図面と写真を合わせて管理するような例が

上のアンテナ側高さ数値入り写真に加えて、下の取り込みがわ数値入り写真と、後一枚間の手すりの長さの写真 3枚をアプリに取り込み、距離を測りたいところに目印としての矢印を書いておき、あとはそれらの測距済み数値をそれぞれの矢印に読み込ませれば完成です!
ちなみにアプリの評価は今ひとつですが、私が使う分にはマニュアルを見ることなく全く問題なしで使えました。

App Store でのアプリ情報


さて、これで送信ができるようになりました。これで初 CQ なるか?