KuriKumaChan’s diary

Kuri ちゃんと Kuma ちゃんの飼い主の独り言

ゆるくアマチュア無線 - 世の中の交信を聞いて勉強してようやく CQ に応答することができた

新たに送信可能なアンテナ(X200)を立てていつでも送信可能な状態になったものの、小心者なのでいきなり CQ を出すことはできずしばらくは世の中の交信状況を聞くことに徹していました。その上で CQ を出している人に応答することで知人以外と初めて更新してみた、というお話です。さらに自分の北海道(8エリア)のコールサインのまま東京で運用することに悩ましく思うのでした。

なお、このブログ自体アマチュア無線に特化したものではないので、アマチュア無線をなんとなくしか知らない人を前提に書いています。

アンテナを立てて CQ を出してみようと考えていたけれど

交信のプロトコル(一括呼び出しであれば最初に "CQ" を 3回繰り返す、とか)はそれこそ 30年前に 4級の受験勉強で学んだくらいで、あとは友人とほとんど好き勝手に呼び合っていた運用しか経験がないので、見ず知らずの人といきなり交信をするのは厳しいと感じました。フォネティックコード("A" は「アルファ」、"B" は「ブラボー」...)は分からなくはないですが、いざ自分のコールサインをフォネティックコードで喋ろうとするとすんなりとは出てきません。
他にもこの前立てたアンテナでいったどのくらい距離が離れた局と交信できるものなのか(電波が届くものか)?見当がつかないので、しばらくは世の中の人たちが一体どのくらいの距離で交信しているのか(できているのか)、様子を知っておいた方が良いと考えてしばらく人様の交信に耳を向けることに徹しました。
ちなみに無線を全く知らない人は「人の会話を盗み聞きするのか!」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、アマチュア無線の世界では自分の交信は誰に聞かれても良い、という前提で行います。ですので暗号を使ったり音声を暗号化したりするのは違法です。逆に他人の更新内容を聞いてもそれを第三者に漏らすことも違法、という話す方も聞く方もお互い紳士協定のもとで運用します。ですので他人の交信に積極的に耳を傾けて自分の運用スキルを向上させるのはアマチュア無線の本質でもあると考えられます。

近隣の交信状況

昔札幌で友人とのお遊びで使っていたのは、144MHz 帯のハンディトランシーバーでしたが、先日私が購入したアイコムの ID-52 というハンディタイプの無線機の送受信可能な周波数は、144MHz 帯と、430MHz 帯で、モードとしては FM とデジタルの D-STAR が使用可能です。その中でどの周波数とどのモードで運用するか考える必要があります。無線は相手がいて始めた成り立つものなので、運用局が少ない周波数帯、モードでは相手が捕まりません。

f:id:KuriKumaChan:20211012174301p:plain
ID-52

最近の無線機の進化 - ウォーターフォールスコープ

最近の固定式の無線機では結構取り入れられている機能のようなのですが、ウォーターフォールスコープと呼ばれる表示機能があって、自分が設定している周波数を中心に前後で利用されている周波数をビジブルに示してくれる機能があります。

f:id:KuriKumaChan:20211012174831p:plain
アイコムの製品ホームページより借用
これを使うと、いちいち周波数をずらして耳で使用中かどうか確認しなくても、そのスコープに表示される範囲の周波数の利用状況が目でわかります。
一日中スコープと睨めっこしている余裕はありませんが、夜間机で作業するときに ID-52 のスコープを出しておくと、東京では 144MHz の利用は少ないものの 430 MHz 帯では結構 FM で利用している人がいることがわかりました。

近隣の区は大体問題なさそうだけれど、多摩地方、千葉、神奈川などは厳しそう

430 MHz 帯に絞って交信をチェックしていると、同じ区や隣接した区から更新している人は結構いることが分かりました。私が立てたアンテナ(の高さや周囲の電波の障害となる建物等)の環境では、埼玉方面は少し聞こえるものの千葉、神奈川、山梨、からの交信はほとんど聞こえません。受信に限って考えると、私の無線機(ID-52)の出力が小さいこと (5W) は関係ないので、今後アンテナ環境を変えない限り高出力無線機を導入しても千葉、神奈川方面との交信は難しそうです。
それでも平日でも夕方から夜、土日は日中も結構な局が出ていることがわかったので、あとは自分のやる気だけの問題です。

ところで何を話しているの?

特に他人のお喋りの内容自体には興味はないのですが、見ず知らずの人と交信しようとするからにはお話が成立しなければなりません。もちろん最低限のコールサインや受信レポートの交換だけで「ハイさよなら」というのもアリかもしれませんが、やはり良識的にはある程度の会話を気持ち良くしてみたいもの。そんな気持ちもあって人様の交信内容にも耳を傾けるとさまざまです。

アマチュア無線(アマチュアむせん:Amateur Radio、Ham Radio、Ham、等)とは、金銭上の利益のためではなく、無線技術に対する個人的な興味により行う、自己訓練や技術的研究[1](同好の士と話したい、習得した外国語が通じるか・電波がどこまで飛ぶか・試したい、という場合)のための無線通信である。

もともとこんな👆感じの制度なので話の内容はゆる〜くさまざまな話題が飛び交っていますが、やっぱり無線関連の話題(ハード、ソフト、イベント、等々)が多く会話されているようです。(アマチュア無線の目的などは電波法に明記されていますが、一般の方にもわかりやすいように Wikipedia から引用しました。)
そして自分と同じように「昔免許を取って開局したけれどもうすっかりアマチュア無線から遠ざかっていた。でも最近また始めた。」 という人は結構見受けられました。そんな様子を見ていると(聞いていると)、 「よし、自分はまだ不慣れなのだから、折角だから無線で分からないことを教えてもらえる人と話してみたいな」
と思うようになりました。

5W で送信してみる

記念局を見つけた

9月の中旬に "8J1SOUMU" というコールサインの記念局が武蔵野市から呼び続けているのに遭遇しました。どうやら「中央省庁再編・独立行政法人制度20周年記念局」というものらしく、何かのイベントや記念日にこうした記念局と呼ばれる局が登場し、おたがい交信をして QSLカード(交信証明書)を発行してくれるようです。そういえば夏にもオリパラ記念局が出ていたのにも遭遇した記憶が蘇りましたが、その時は「なんだこれ?」という感じでした。

東京2020オリパラJARL記念局

こうした記念局はひたすら CQ を出し続けて交信局と受信レポート(受信した明瞭度や電波の強さを示す数値)と所在地を交換するだけで先方から「あとで QSLカード送りますね」でハイおしまい。これなら余分な会話の話題を気にする必要はありません。
ということで、この CQ に声を出してみたところピックアップしてもらえて、2021/09/16 23:30 に実質初めての QSO をすることができました(仲間内ではない人との初めての交信)。

優しそうな人を見つけた

記念局との交信でも小さな自信にはなるもので、「今度は内容のある会話を成立させたい!」と思うようになって相手を探していると、ほぼ毎晩出ている優しそうな声の持ち主を見つけました。隣ではないですが、二つ先の区の方で、後からわかったのですがアマチュア無線雑誌(CQ ham radio)で連載をされている方でした。この方が CQ をかけるとたいていすぐに応答する局が現れます。たまたま応答する局がすぐに出てこないタイミングがあったので、こちらから応答すると一発で拾ってもらえて、ハンディ機の 5W でもちゃんと(レポート; 59)交信が出来ることを再確認できました。そして知りたいと思っていた交信可能範囲/地域などいくつかの質問に対して説明をしてもらって、とても気持ちよく交信するという経験をさせていただきました。

北海道のコールサインで東京で運用し続けることに悩む

北海道エリアのコールサインで東京で運用すると目立つかも

記念局との交信では CQ に応答する局は多いようなので、一回で拾ってもらえるとは限らないようです。ただ私のコールサインが北海道エリア ( 8エリア) の移動局ということで目立ったのか、すぐに拾ってもらえたような気もします。
多くの方の交信を聞かせてもらっている中で、私のように関東エリア(1エリア)以外のコールサインの方の交信はちらほら耳にするのですが、多くは本拠地から「(わざわざ)関東エリアに移動して交信する」という移動局が大半のようです。
("JI8ABC/1" など自分のコールサインの後に "/1" (スラッシュ•ワン)を付加してコールサイン自体のエリア外である関東 ("1")エリアから交信していることを示している方は結構いますが、出張で東京に来ていたりする方などが多いようです。 )
それとは別に、私のようにずっと東京に住んでいながら関東以外のエリアのコールサインで交信している人は聞こえる範囲ではほとんどいないようです。

エリア外への引っ越しは原則コールサインの再発給

本来であれば引っ越しなどにより「無線機の設置場所/常置場所」が変更となった場合はその変更申請が必要で、免許状発行の総合通信局のエリアを超えた場合にはコールサインが変更となります。ですから単に北海道で開局し北海道(8エリア)のコールサインを発給されていた人が東京に転居して変更申請をすると北海道のコールサインは取り消されて関東(1エリア)のコールサインが与えられるそうです。では私が北海道のコールサインを変更せずに東京に居住して無線を運用していたら法令違反になるかというと必ずしもそうではなく、「免許人(私)の住所」は東京、無線機の「設置/常置場所」は北海道という登録でも許されるケースがあり、3年前に一度失効した無線局免許状を復活させた時にそのように免許人住所と設置/常置場所の異なる変更ができています。ただし無線機の設置/常置場所に実際に設置/常置できることが前提で、北海道の住所が自分の管理下にない(例えば他人の)家などではそこに無線機を設置/常置する合理性はないのでおそらくそのような登録の申請は却下されるのではないかと思います。

認められたコールサインであってもエリア違いだと質問はされる

合法的な登録に基づいたコールサインとしても、東京に住んでいながら8エリアのコールサインでずっと運用するのも気が引けます(制度上問題ないとしても "Why ?" と聞かれることが多いはずです)。また一応は札幌を設置/常置場所に登録しておきながら、現実的には無線機は手元(東京に)持ってきていますので、設置/常置場所の本質を逸脱していると言われても仕方ありません。
1エリア(関東)のコールサインに変更すればそのような煩わしさはありませんが、不真面目だったとはいえちゃんともらった北海道のコールサインを手放してしまうのももったいないような気がしますし、「いつか札幌に帰ろう」という考えも残っていますのでせっかく与えられた北海道エリアのコールサインも持っていたいと思います。というような悶々を引きずっていたのですが、一つ解決策を見出しました。
長くなりましたので続きは次回へ。