おおよそ2ヶ月前に受験申し込みをした第一級アマチュア無線(1アマ)の国家試験。昨日受験してきました。本当は昨日のうちに書いておこうと思ったのですが、試験後はぐったりしていたので翌日の整理です。
現時点で正答の発表がまだなので結果はわかりませんが、あまり自信がないというのが本音です。とはいえ準備段階も当日も自分では全力を尽くせたと考えています。
そんな状況なので今日は受験した試験内容と結果は別に、還暦過ぎのおっさんの試験準備の様子を書いておこうと思います。自分でも「なんでこんなに勉強しちゃったのだろう?」と思いますので。
こんなはずではなかった
必要な勉強時間/勉強量
2ヶ月前の考えでは、それまでのそれまでの3アマ、2アマとも1日に 1,2時間程度勉強を続けていればなんとかなっていたのでその延長と考えての 1アマの試験申し込みでしたが、少なくとも私の頭脳とバックグラウンドでは その程度の勉強量で歯が立つものではありませんでした。そしてそれを認識したのが試験勉強を始めて半月ほど経った 2月の後半。それ以降アクセルをより深く踏み込み続けた 1ヶ月半でした。
- おおよそ毎日 5時間 以上勉強に費やしました。
- (持病の)腰痛の悪化もあり、山歩きなどの外遊びは完全に封印。
- 購入したばかりの電気/電子工作のオモチャ類もほとんど封印しました。
- 毎日の日課であった午前中のフルート練習の時間も勉強に向けました。
- ブログ記事を書くことも諦めました。(大きなブログネタもあったのですが)
- 録画も含めてテレビを見る時間の大部分を削りました(見るのはニュースと朝ドラだけ)。
- SNS (Twitter, LINE 等)も接する時間を極力減らしました。
上の後半はどちらかというと勉強時間の捻出というよりは自分の気持ちの問題だと思いますが、40年以上前の受験勉強をやっている時を思い出した感じです。 勉強を始めたての頃は、「趣味の範囲で電子工作でもやって電気/電子回路などの理解を深めよう!」などと甘い考えをしていたのですが、短期決戦の試験勉強への貢献としてはさほどでも無いことがわかり封印。
自分の記憶力、理解力の減退
例えば無線工学に関して言えば「第1級ハム国家試験問題集」の巻末に掲載されている重要公式集に掲載れれている公式の数がざっくり 50個程度。実際にはそれ以外にも必要な公式もありますが、逆にわざわざ公式集に掲載がなくても分かる(簡単に導出できる)公式もあるので、覚えなければならない数としては大体こんなものなのでしょう。しかしこの 50個を使えるレベルに身につけるのは辛かったです。公式を覚える基本は、
「公式を書いてみる → 実際の問題を何回も解いてみる」
という繰り返しなのですが、今日はバッチリ覚えられたとしても翌日には少し怪しくなり、3日経ったらもう忘れている!ということを何回も繰り返しました。その綺麗さっぱり気持ちよく忘れる自分の記憶力にびっくりガッカリ。
電気/電子工学の理解が深まったか?
3アマはともかく 2アマはアマチュア無線に対する興味より電気/電子工学への興味があって受験したのですが、1アマまで勉強してその理解が深まったか?というと、正直「理解がしっかり深まった」とは思えません。最初は「図解でわかる電気回路」「図解でわかる電子回路」などの書籍も読みながら進めていたのですが、「理解を深めるのに必要な時間」の割には解けるようになる問題が多くは無いことがわかり、そのうち「より正しく深い理解」よりも「正しく解くための最低限の理解と暗記」に時間を費やすことになりました。もちろん問題を何回も繰り返して解くことにより、読んだだけでは分からない論理を理解できるようにはなることも多いのですが、あくまでもそれは試験問題に対する理解が深まった、という感じでしょうか。
でも、途中で投げ出さずに完走したし、面白かった
上に書いたように、「こんなはずではなかったのに..」と多々思う事ばかりではありましたが、少しは深まる理解に喜びを感じつつ、単なる抵抗、コンデンサ、コイルの小さな単機能部品の奥の深さとその応用範囲の広さに驚きを感じることもできて、「面白い」と感じる心を保てたのは良かったと思います。
歳を取ってもある程度本気の勉強はできる
「暗記中心の歴史の受験勉強が嫌い」という理由で高校では文系のクラスを避け理系のクラスを選択し、一応は三角関数や複素数、微分積分も学習したはずなのですが、もともとそんなに数学が好きではなかったようなので高校3年の数学は途中で挫折していました(その結果、結局は嫌いだった歴史の勉強をして文系の大学へ行くことになりました)。
今回の試験勉強でも最初は避けていたのですが、頑張って三角関数(特に位相角)や複素数も計算はできるようになれたのはよかった思いました。1アマの範囲ではさほど対象が多くないので微分積分の勉強には踏み込みませんでしたが、時間があったら「今からでも微分積分を高校数学レベルで勉強し直そうかな?」と前向きな気持ちを持ったりしました。
(1アマでも微分回路、積分回路は出題範囲ですが、別に微分計算や積分計算は求められていないようです)。
問題を繰り返して解くことによって、本を読んでも分からない一面に踏み込める
私が今でも「よく分からなかった」ことの一つに、トランジスタや FET の増幅回路に関する等価回路の説明があります。「図解でわかる電子回路」で丁寧に解説されているのですが、数式で導き出される論理はなかなか辛くてわかった気には至りませんでした。しかし視点を変えて「どの部分にオームの法則が当てはまるか?」を考えれば 1アマで出題される程度の等価回路の問題は解けるようになります。
本当は「試験問題を解けるようになる」のではなく「増幅回路を仕組みをちゃんと理解する」のが目的なのですが、今回は試験問題を解けるようになるだけでヨシとしました。学生だって試験対策中心の勉強の延長上に本当の論理的な勉強があることも少なくないでしょうから。
試験結果に関わらず、今回勉強できて良かった
還暦をとっくに超えているオッサンとしては、知力体力面で頑張ったかな、と思っています。しかしもっと体力があって頭が柔軟だった若い頃だったらと考えると、逆に会社勤め等の仕事をしながらでは勉強時間を確保するのは難しく、少なくとも私にと良い勉強の機会だったのだと思いました。
結果がどうなるのかわかりませんが、1アマでしかできないことを特にやりたかったわけではないので、今後はもう少し楽しみながら電子工作をして勉強も続けられたら、と思います。
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