KuriKumaChan’s diary

Kuri ちゃんと Kuma ちゃんの飼い主の独り言

14年使ってきた Evernote をいよいよ見放す(2) - 移行先アプリは UpNote

ひと月ほど前に「長年使ってきた Evernote をお別れを!」としてから、実はすぐに新しい移行先アプリを決めて使い始めたのですが、すっかり顛末を記録しておくのを忘れていました。
結論は UpNote なのですが、なぜ UpNote にしたのか?と言うことと、すでにひと月ほど使ってきた印象をまとめておこうと思います(現時点で 220ノート)。
(なお、結構軽い気持ちで UpNote に決めたので、機能の詳細などは十分に検討していません。詳細を十分チェックしておきたい方は別のブログ記事を参考にしてくださるようお願いいたします🙇)

blog0.kurikumachan.com

Evernote からの移行先アプリの検討

検索で出てくるオススメは Notion と OneNote...

やはり世の中 Evernote に失望して移行を考える人は多くて、検索すると色々な方が事例や提案をしていることがわかります。その中でも Notion と OneNote が多いようでした。

Notion は too much

会社員時代は当然今より多くの情報に接することが多かったので、単にメモするだけではなく「情報を整理したい!」というモチベーションが高く、さらに凝ったことが好きだったので Notion をなんとか使いこなそうといじっていた事があります。確かに機能てんこ盛りで「凄い!、何でもかんでも Notion にぶち込んでおいたら便利そう!」と興奮した記憶があります。それなのにメイン利用にならなかったのは「機能を調べたらたくさんの可能性を感じて、テストたり工夫する事自体に夢中になり実際の利用を始められない」というジレンマに陥ってしまったからです。
また、個人的には昔々あった Lotus Notes のデータベース (".NSF") に似ていような感じがして親近感を感じてもいましたし、情報の整理という観点ではとても共感するものがありました。しかし Lotus Notes の時も思ったのですが、「データベースとして使うのか?」それとも「ノートやメモに使うのか?」は実は難しい問題で、その両面を生かした仕組みは(少なくとも自分にとって)難しいと思いました。
言葉を変えていうと、
パーソナルユースにおいてはデータベースではなく、しっかりした検索やタグ/カテゴリー機能があり、UI に優れた使いやすいノート/メモアプリがあれば十分」
と自分で整理した記憶があります。
(実際にはそんなノートアプリもたくさんあって、色々と目移りするのも事実ですが。) そんなわけで、今回も「Notion には惹かれるものはあるけれども、自分にはあわない」という結論にふたたび到達しました。

OneNote は総容量で課金

少し前、Evernote から OneNote への移行キャンペーン (?) をやっていた時にはデータの移行ツールも提供されていたので、去年何ヶ月か OneNote を実際に使って Evernote の移行を検討したこともあります。その時は Evernote の移行テストを具体的に検討するに至らず、日常使いがどんなものかを確認しただけにとどまりましたが、自分の感触としては、
「機能:問題なし、操作性:問題なし、価格:△」
という感じでした。アプリの起動が遅い、という話はありますが、まぁまぁ許容範囲だと考えていました。

Excel などを頻繁に使いたい人には良いかもしれないけれど...
ところでOneNote のデータは Microsoft 365 のストレージに保存されるので、本格的に使うとしたら Microsoft 365 への加入は必須ですが、Excel や Word を滅多に使わない私にとっては実質 OneNote だけのために ¥14,900/年 払うことになってしまいます。
ということで、悪くはない OneNote ではありましたがお金の面で折り合わず採用を見送ることにしました。

いっそのこと新しいアプリを使ってみよう! - UpNote

Notion, OneNote を除くとさほどメジャーではない選択肢が残ります。
その中でも Evernote の移行先としてチラホラ紹介されていたのが UpNote でした。ほんの 3,4年前に登場したものらしくあまり多くの情報は見かけませんでしたが、UI が Evernote に近いということで大きな違和感なく移行できるとされています。

実際に導入して少し使った上で以下の最低限の条件が満たされることを確認できたら、本格的に使い始めようと思いました。

最低限の条件 1 - ノートの保存や表示がキビキビとしていること

これは Evernote が嫌になった原因となる「保存すらすぐに出来ない」というストレスの裏返しですね。朝新聞を読みながら適当に記事をスクラップしていくのに、保存のたびに待たされていたのではたまったものではありません。軽量エディターのようにサクサクと!とまでは言いませんが、保存ボタンを押したら次のノート操作を始められるくらいは当然の条件ですね。

最低限の条件 2 - iPad, Pac, iPhone で利用可能 - クラウド同期

新聞記事のスクラップは iPad で操作しますが、Mac でも気になることをメモしたり、それらを iPhone でチェックしたりすることが問題なく出来ないと困ります。Evernote では iPad や iPhone で保存したつもりになっても別のデバイスではそれが表示されないことが頻発していましたのでそんなことが無いように。

納得できる料金体系 - 今どき買い切りがある!しかも ¥3,500!

大抵のアプリがそうであるように課金なしでは機能制限がありますし、機能を享受するのですから費用の発生は当然と考えます。
機能制限のない有料のプレミアムユーザーになるためには、「100円/ 月」もしくは「買い切り 3,500円」。

買い切りは 3,500円、ということは 100円/ 月で 3年弱で元が撮れる。
今どき買い切りがあるというのにも驚きましたが、Microsoft 365 のほぼ 2ヶ月分の金額で Lifetime 利用できるのですから、後腐れもありませんしこの金額なら抵抗なく一括払いを選ぶことができます。

UpNote をひと月使ってみて

違和感なく使い始められた → すぐにプレミアム購入

実際にはアプリを iPad と iPhone でダウンロードして課金前に触ってみました。当然なデータは空なのだからかもしれませんが、動作は軽快そのものです。特にガイドを見ることもなく、ノートの新規作成や適当な修飾などごくごく普通にできます。ノートを 2,3作り、新聞のスクラップをコピペしてみても何も違和感なし。さっそく買い切りで課金して使い始めました。

Mac 版も購入 - ただし Web 版は無い

ほとんどのプラットフォームでアプリが提供されているけれども Web 版はない
新聞スクラップ自体に UpNote を使い始めたので Mac 版もすぐに購入しました。Mac 版も (今のところ) 軽快そのもの。Evernote から乗り換えてよかった!と思いました。 今の Evnernote と違って同期も速攻で反映されます。これでノートを記録するにあたってのストレスが思い切り削減できたと思います。
ただし、Evernote と違って Web 版は無いんですよね.... この点が残念ですが、Web 化を進めて今のようになってしまった Evernote ですので、まぁ良しとしますか。

1ヶ月使って - ストレス感じることのない軽快さ、十分な機能

16,000 個のノートを入れていた Evernote に比べれば 220 なんて 100分の1に近いデータしか保存していない UpNote なのでフェアではないですが、アプリの動作、ノートの保存、クラウド経由の別デバイスへの変更の反映など軽快そのものです。
冷静に言えば、UpNote だけがダントツ早いクラウド連携という訳でもなく、最近の多くのノートアプリでは珍しくないかもしれません。日記(ジャーナル)アプリで使っている DayOne も 3,000 以上のエントリーがありますが、iOS 系と Mac 版の連携も一瞬です。Evernote だけが残念ながらポンコツになってしまったのだと理解しています。

機能面であっても、私のように決まったパターンでノートを作成していくことや、さほど大掛かりではない文章を記録するレベルでは Evernote に劣る機能や操作性は見当たりません。

Evernote との小さな違い - ICON 表示はノート内の最初の画像

丁寧に比べてみると細かい操作系やメニューなど違いはあるのだと思いますが、私が一番気になったのはノートのリスト表示に表示される画像の違いです。
Evernote では
「ノートに最初に貼り付けた画像がリストに表示される」
仕様になっていて、私は新聞のスクラップなのだからと紙面イメージをノートに最初に貼り付けることによって、ノートのリスト表示にも紙面イメージが表示されるようにしていました。

Evernote のノートに複数の画像があっても、ノートのリストにアイコンとして表示される画像はノートに最初に貼り付けた画像

ところが UpNote は後から貼り付けた画像であっても
「ノートの先頭にある画像がリストに表示される」
仕様になっているようです。
最初はとても気になったのですが、今となっては Evernote 過去記事を検索してもリストすら表示がなかなかされないので、「Evernote はよかったな」と思うことも無く「ま、UpNote の仕様も普通はそうかな」と諦められています。

Upnote のリストに紙面イメージが表示されるのは、ノートの中に他の画像がない場合のみ。

Evernote データの移行と UpNote に関する心配事

さて、日常使うアプリとしては乗り換えられたのですが、10年以上使い 16,000以上のノートを記録している Evernote 内のデータはそのままです。一方、ストレスの無い UpNote ですが今のところそうメジャーではないので、将来にわたって安定して使えるか?は心配事ではあります。

Evernote に保存した文章は UpNote に移行しない(当面)

いつか完全データの完全移行はしなければならないと頭ではわかっていますが、今のところ移行方法もしくはデータの export 方法をなどをちゃんと試してみる余裕がなかったので、当面の間過去記事を検索するときは Evernote を使うことにしました。そう言った「たまに使う」時に Web 版があると気軽に使えるので便利なのは事実です。
とはいえ、来年春のサブスク更新はしたくないので、ある程度余裕を持って次の判断もしたいと思います。

心配事二つ

長期サポート

Evernote の身売りの話はもちろん、Twitter だってサービスレベルに変更はつきものです。UpNote がたった $24.99 を一度だけ払った ユーザーにこの先ずっと同じレベルのサポートを提供してくれるのか不安はあります。

適切なクラウドバックアップ?

あと一つは Evernote では基本データはクラウドに全部あって、クライアントデバイス側にはその一部しか保存されていない様子でした。だから動作が早くはない、ということがあったかもしれません。その代わりにいくらノートが増えてもクライアントデバイスのストレージはさほど圧迫されないのではないか、と思っていました。 一方の UpNote はどうでしょうかね。今のところ全くわかりませんが、全ての保存ノートが全ての同期デバイスに丸々コピーされるような気がします。まだまだ大した量ではないですのでそう大きく心配することはありませんが、クラウドとローカルのストレージの利用方法に関する心配は他のアプリでも気になるところですが。


ということで、私の使い方においては今のところ Evernote から UpNote に乗り換えて不満や後悔はありません。もちろん UpNote にない機能がネックになる人もいるとは思いますが、まずは 100円/月 でフル機能は使い始めることができますし、買いきっても大した金額ではないので、使い始めてみることをおすすめします。

(参考) UpNote の特徴に関して一番まとまっていると思われた記事 (as of 2023/07/11)

ryob.net