家電量販店を何件か回って店頭在庫であったものを買っただけなので、特にこの製品が特別優れているかどうか分かりません。最近は USB 給電のものが主流のようでしたが私はトラディショナルに AC 給電 (消費電力:20W !) のケーブル付きのものを買いました。部屋全体を温めるよりずっとエコですし、エアコンだとどうしても頭がぼーっとしがちですがこれなら頭寒足熱を保てます。
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そういえば、ANA のFLYING HONU(フライングホヌ)就航時にハワイに行った際に機内で CA が使っているのを見た記憶があります。今は分かりませんが当時は肩から iPad mini をかけて iPad を操作しながらイヤホンでコミュニケーションしていたのを思い出しました。少なくともそれまでに他の機材ではその様な様子を見たことはなかったですし、HONU が就航直後だったので CA さんは皆十分に慣れて使いこなす域には至っておらず、一つ一つの操作がぎこちなかった様です。
ちなみにコストは?
専用のアプリを使うと言うことは何かしらのクラウドサービスを前提にしていて、その使用料金がかかるものです。BONX WORK のホームページでは「基本プラン」と「オプション」に分けて説明されています。「基本プラン」では「複数ルーム通話/個別トーク」、「チャット・画像送信/全体通知 」は不可欠でしょう。これがないと単なる IP 無線機 + Slack に毛が生えた程度にしかならないでしょう。記事で紹介されていた「録音/文字起こし」も便利に使うとなると、どうやっても ¥2,200/人月 の「プロフェッショナル」が前提となりますね。
しかし、この仕組みはいわゆる無線機と違ってサーバーを介しているはずなので、wifi & インターネットや携帯キャリアの圏内でないと利用は制限されるはずだと思うのですが、私が見た HONU の CA はどうやって使っていたのだろう?と思います。私が見たのは駐機中だけではなく飛行中も使っていた様な気がします。もしかして衛星インターネットを使っていたかもしれませんが、機内でのコミュニケーションにはサーバー経由のやり方ではあまり使いやすそうではないで、サーバー機能は使わなくても良い機能だけ使っていたのかもしれません。記事でも機内利用には触れられておらず、地上での配備を優先する様なことが書いてありました。
それでもバックアップ用無線機はまだ廃止できず
信頼性は?
機能的には従来の無線機を置き換えることは十分可能なのでしょうけれども、「万一のシステム障害に備えて無線機も従来の4割ほど維持している」そうです。航空機業界は重要なインフラなので、「BONX WORK が止まったので一旦全業務を停止します!」とは言えません。そうなると 4割が妥当なのかどうか分かりませんが、ある程度の従来型無線機は残さざるを得ないのでしょう。
ホームページを見る限りでは信頼性に関する情報はありませんでしたが、業務用チャットアプリの Slack や Teams などの障害事例もあることですから、常識的に BONX WORK だって使えなくなるケースは想定しなければならないですね。
一言で言うと、別府伸耕さんが製作のために必要なデータを公開している SDR (Software Defined Radio) の名称です。"SDR" 自体は平たく言えばアナログ回路の塊にコンピュータのデジタル処理を大幅に取り込んだ無線機、ということですね。コンピュータ(今回の例で言えば Raspberry Pi Pico) というハードウェアを組み合わせたのに「何故 HDR (Hardware Defined Radio)と言わないのか?」とも思いますが、プログラムというソフトウェアがコンピュータで動作してかつてのアナログ回路の役割の一部を自在に制御できるからなのでしょう。
当然電子工作なので、アナログ/デジタルとも色々なパーツを組み立てることになります。フロントエンドの RF 部分(スーパーヘテロダインの初段)はアナログラジオなのですが、アマチュア無線の無線工学でたっぷり?勉強した RLC も当然出てきます。
R と C はそこそこの本数が使われていましたが、 L (コイル/インダクタ) はたった一つだけでした。しかも試験テキストや問題のイラストに出てきた電線ぐるぐる巻きタイプのものではなく、一見「太った抵抗」に見えてしまうアキシャルリードタイプが一つだけあっただけでした。