KuriKumaChan’s diary

Kuri ちゃんと Kuma ちゃんの飼い主の独り言

省エネ (20W) で頭寒足熱 - 本格的に寒くなって来たのでフットウォーマーを引っ張り出す。

冬本番の寒さがやって来て足元が冷えるようになって来たので、ちょうど一年前の今頃から春先までアマチュア無線の 2級、1級の試験勉強をしている時に導入したフットウォーマーを引っ張り出しました。

ゆるくアマチュア無線 - JARD アマチュア無線技士養成課程を終えたら国家試験も軽く合格できるか? - KuriKumaChan’s diary

ゆるくアマチュア無線 - 1アマに合格した! - 私の工夫 - KuriKumaChan’s diary

家電量販店を何件か回って店頭在庫であったものを買っただけなので、特にこの製品が特別優れているかどうか分かりません。最近は USB 給電のものが主流のようでしたが私はトラディショナルに AC 給電 (消費電力:20W !) のケーブル付きのものを買いました。部屋全体を温めるよりずっとエコですし、エアコンだとどうしても頭がぼーっとしがちですがこれなら頭寒足熱を保てます。

両足を揃えてまな板サイズのヒーターに載せるタイプもありましたが、足先をルーズに置けるのでセパレートタイプにしてみました。ケーブルが踵から出ているのであまり自由さはありませんが、少しくらいの移動ならできるのも便利です。
もちろん洗濯もできるのでそこそこ清潔に保つこともできます。


今回は一年前の受験勉強をしていた頃を思い出してちょっとだけ買いてみました。 blog0.kurikumachan.com

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ANA の「脱無線」とは - ブロードキャスト無線の価値

たまたまチェックしている日経クロステックに興味あるタイトルの記事が出ていました。
最近すっかりご無沙汰ですが、飛行機は乗るのも観るのも撮るのも好きで ANA のスーパーフライヤーズ会員になっていますし、無線も一応一アマ取得したくらいですから(交信こそあまりしていませんが)興味津々です。
記事の内容としては、ANA がとてつもなく新しい事をした、というわけでもなく時代の流れなんだな、と思う内容でした。

xtech.nikkei.com

結論としては「無線機」→ 「会話 & チャットアプリ」への移行

一言で言うと、

  • アナログ/デジタル関係なくいわゆるトランシーバーを使ったブロードキャスト無線の仕組みに変えて、スマホアプリベース(つまり IP データ通信の)のコミュニケーションツールで職場の特性に合わせて業務を改善できそうだ。

  • 効果ははっきりしているが、既存の無線機の全廃には至っていない(既存の 4割を残している)が、それでもコスト圧縮はできている(3-4割のコスト削減)。

使い方は単なる「無線機の代替」ではないらしい

単に音声を IP 通信化するのではなく、音声だけではなくチャットも利用できるだけではなく、作業グループごとのコミュニケーションを実現することで、「単一チャンネルの無線通信」の制約を克服できるようになったようです。元サラリーマンの理解としては、

Slack に「常時常時開設されているの音声チャットルーム」を第一の利用手段とした仕組みを取り入れたようなもの?

と想像しています。詳細は以下のアプリのホームページから確認することができます。

使われているアプリは

使われているのは、BONX WORK と言うツールのようです。

bonx.co.jp
そういえば、ANA のFLYING HONU(フライングホヌ)就航時にハワイに行った際に機内で CA が使っているのを見た記憶があります。今は分かりませんが当時は肩から iPad mini をかけて iPad を操作しながらイヤホンでコミュニケーションしていたのを思い出しました。少なくともそれまでに他の機材ではその様な様子を見たことはなかったですし、HONU が就航直後だったので CA さんは皆十分に慣れて使いこなす域には至っておらず、一つ一つの操作がぎこちなかった様です。

ちなみにコストは?

専用のアプリを使うと言うことは何かしらのクラウドサービスを前提にしていて、その使用料金がかかるものです。BONX WORK のホームページでは「基本プラン」と「オプション」に分けて説明されています。「基本プラン」では「複数ルーム通話/個別トーク」、「チャット・画像送信/全体通知 」は不可欠でしょう。これがないと単なる IP 無線機 + Slack に毛が生えた程度にしかならないでしょう。記事で紹介されていた「録音/文字起こし」も便利に使うとなると、どうやっても ¥2,200/人月 の「プロフェッショナル」が前提となりますね

基本料金部分。記事で紹介されている機能を利用するためには「プロフェッショナル」が前提。

「オプション」ではセキュリティ上「接続デバイス管理」が要検討かもしれませんが、そもそも個人の iPhone を好き勝手に業務利用させない前提であれば、MDM レベルで管理すべきでそちらにお金をかけるべきかもしれません。
そうなるとざっくり ¥2,500/人月 以下 程度で利用できることになりますね(その他デバイス、通信料等は別途)。

オプション部分。

使い勝手は?

基本的な音声に関わる操作は今までと大きく変わっていない様です。

基本的な操作は一般的な無線機器と同じ 「他の係員からの音声は常に聞こえる状態となっており、自分から他の係員に呼びかける際はイヤホンマイクの中央にある丸いプッシュ・トゥ・トーク(PTT)ボタンを押しながら発声する。」

さらに、アプリを使ったコミュニケーションも Slack を思い浮かべればすんなり理解できますね。

成田空港の場合、個々の出発便ごとに搭乗口担当係員の「ルーム」(チャットグループ)を設定。搭乗の準備状況や旅客の搭乗状況などを逐次連絡する。このほかチェックインカウンターの担当係員も別のルームを設定している。

何が変わったのか?

記事には、

従来の無線機には大きく2つの課題があった。1つはコストだ。
もう1つはコミュニケーションの範囲だ。従来の無線機は1つのチャンネルしか使えず、ターミナル内にいる全てのANA係員が単一のチャンネルでコミュニケーションを取っていた

これにより「必要なときに必要な会話ができなかったり、旅客対応などで聞き漏らした内容があっても聞き返しづらかったりと、確実に情報伝達することの難しさが何十年も存在していた」と言うのは納得できます。

業務無線として専用周波数を割り当てられている航空会社の業務において、一般的な小回りが効く特定小電力無線局などを使って良いのかどうか分かりませんが、できたとしても複数のコミュニケーションデバイスを持って用途別に使い分けることが必要になるのであまり効果的では無いでしょう。少なくともイヤホンを使う前提だと耳は左右で最大二つしかありませんし、両耳をイヤホンで塞ぐのは接客業務としては現実的ではないでしょう。そうなると一つのデバイスで目的別(このアプリで言う「ルーム」)にかつ同時に利用することができる(と思われる)こういったデバイスは便利だと思います。

さらに色々な工夫ができそう

すでに 10空港に配備し、その特性に応じた使い方も工夫しているようです(例えば新千歳では「降雪時にルームの組み方を柔軟に見直す」といった対応もしている様子)。さらに「グランドハンドリング部門や整備部門などへの導入を検討」したり部門を超えたコミュニケーションも仕組みも「佐賀空港でフィージビリティーテストを実施」しているということで、さらに活用範囲が広がりそうです。

しかし、この仕組みはいわゆる無線機と違ってサーバーを介しているはずなので、wifi & インターネットや携帯キャリアの圏内でないと利用は制限されるはずだと思うのですが、私が見た HONU の CA はどうやって使っていたのだろう?と思います。私が見たのは駐機中だけではなく飛行中も使っていた様な気がします。もしかして衛星インターネットを使っていたかもしれませんが、機内でのコミュニケーションにはサーバー経由のやり方ではあまり使いやすそうではないで、サーバー機能は使わなくても良い機能だけ使っていたのかもしれません。記事でも機内利用には触れられておらず、地上での配備を優先する様なことが書いてありました。

それでもバックアップ用無線機はまだ廃止できず

信頼性は?

機能的には従来の無線機を置き換えることは十分可能なのでしょうけれども、「万一のシステム障害に備えて無線機も従来の4割ほど維持している」そうです。航空機業界は重要なインフラなので、「BONX WORK が止まったので一旦全業務を停止します!」とは言えません。そうなると 4割が妥当なのかどうか分かりませんが、ある程度の従来型無線機は残さざるを得ないのでしょう。
ホームページを見る限りでは信頼性に関する情報はありませんでしたが、業務用チャットアプリの Slack や Teams などの障害事例もあることですから、常識的に BONX WORK だって使えなくなるケースは想定しなければならないですね。

ブロードキャスト無線の価値 - ビジネスでも個人でもテレビとラジオは捨てられない

話は BONX WORK から外れてしまいますが、障害(災害)時を考えると個人の生活でも同じですね。現在では多くの人がたいていのことはインターネットと携帯キャリアの上のサービスで生活している様です。私もスマホニュースや LINE、LINE 電話などだけではなく、テレビ放送もネット配信を利用することもあります(NHK + や YouTube 配信を行っているテレビ局)。とはいえ、テレビで録画して視聴することも多いですし、地震があればすぐにテレビをつける習性もまだあります。
さらにラジオは身の回りに何台も有り、「災害時も最後にはラジオがあるから何とかなる」という安心感は大きいですね。

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ゆるくアマチュア無線 - ハムフェア 2022 -GHDキーのパドルを買って初めて「エレキー」を知る

4月に 1アマに合格してアマチュア無線まっしぐらか!と言うと、ひとまず燃え尽きてラジオなど電子工作をしたり他のことにうつつを抜かしていたりアマチュア無線からは遠ざかっていました。
ちょうど 3年ぶりの開催?というハムフェア 2022 がビッグサイトで開催されていたので、(多分) 初めてハムフェアというものに行き、以前からちょとだけ気になっていた CW (モールス通信) 用の昔で言う「電鍵」を衝動買いしてしまったら、実は現代の電鍵は複雑だったと言うお話です。

初めてのハムフェア

昔札幌で 4級を取得して遊んでいた頃は、「東京でハムフェアが開催されるときに出張無いかなー」などと考えていたような記憶がありますが、多分今までハムフェアには行ったことがありません。最近は iCOM や YAESU、ALINCO などの新製品の発表などもあり、ハムフェアに関する情報がちらちらと目に入っていたので、今日 (08/21) に 2日目の会場に行ってみました。

今までビッグサイトで行ったことのあるイベントはみな東館で開催されていたので、ついつい人の流れに乗って東館に行くと「鉄道模型フェア」が開催されており、慌てて調べるとハムフェアは南館。南館って初めてなのですが、東館からは遠かった...
2日目の午後ということでどのくらい混んでいるのか不安でしたが、近所の本屋さん位の (?) 混み具合。コロナ対応という考えではちょうど良いのでしょうけれど、少々寂しいのかな。年齢層も高く女性比率はかなり低い様子。クラブ局のブースでは出店しているお爺ちゃんたちが居眠りしています。

とりあえずは入り口に近い iCOM や YAESU、ALINCO を一通りチェックして、あとは全てのブースを覗いて回ることにしました。

パドルが気になり出す

CQ 出版のブースを覗くと書籍の他に「電鍵」の類が売っており、少し触ってみました。
モールス符号の勉強は昨年秋に受験した 3アマ受験で勉強した「新合調法」で結構しっかり覚えられています。過去に一回は挫折した 3アマをクリアできたのはこの「新合調法」のおかげで、2アマの試験の際も 1アマの試験でもモールスで苦労したことはありませんでした。それでも実践へ乗り出すまでにはなっておらず、たまにハムショップを覗くと「電鍵」を触って「結構高いんだな〜」とちょっとだけ気にしていたくらい。
なんとなくはトラディショナルなストレートキー(上から下に押して操作する)以外にもギターのピックのようなプレートを左右に操作するパドルタイプ(?)と言うものがあることは知っていて、「左右タイプの方が使いやすいのかな?」なんてイメージだけは持っていました。
他にもショップでは CQオームや日栄無線も出店して賑わっており、遠巻きに見ただけですが「電鍵」の類はあまり目立つところには置いていなかったようです。

GHD って?

ほとんど帰ろうと思ったところ、たくさん「電鍵」を展示してあるブースを発見。のぼりを見ると「GHD」と。正直知らない会社でしたが、家に帰って調べるとどうやら電鍵を始めモールス通信関連機器の第一人者のような会社でした。意外なことにスタッフはみな若い男女のみなさん。年配者はおらず若いスタッフさんが接客していました。ざっと見ていると「電鍵」本体以外に音を出すスピーカーの付いた「送信練習器」とか、モールス符号の音を入力に文字に変換出力する「CW解読器」なども置いてありました。いずれも通常販売価格より安くなっているようなので心が揺らぎます。「電鍵」本体は種類がたくさんありましたが、正直何が違うのかわかりません。ストレートキーとパドルタイプの外見の違いくらいしかわかりませんが、種類としては圧倒的にパドルタイプが多かったです。その中でたまたま指で操作した感じがしっくりしたものがあり、「標準品よりコストダウンしているけれども同じ性能」のものをさらに安く (¥12,000) 売っていると言うのでこれを買おう!と。

オンラインアウトレットでも売っている「GN607F の類似品」

それと自分が入力したモールス符号が正しく解読できるか確認するために「CW解読器」の旧タイプも ¥10,000 でお買い上げ。

中身は現行製品と同じとのこと。

クレジットカードが使えないのが残念でしたが、多分会場内のスタッフで一番若いのではないかと思われるお兄さんが一生懸命説明してくれたこともあり、その二つを買って会場を後にしました。
会場を出てすぐのところで後ろから声をかけられ誰かと思ったらその若いお兄さん。どうやらお兄さんもちゃんと知らなかったようなのですが、パドルと「CW解読器」だけでは使えないらしい。「CW解読器の代わりに送信練習器に変えませんか?」とのご提案。でも音くらいスピーカー繋げれば自作できそうだし、自分のキー出力をちゃんと解読できるか確認したいのにー、と思いながらブースに一旦戻りました。しかし先輩の?お姉さんスタッフから「解読器は送信練習器からの出力が必要」とパンフレットも使って説明を受け「そんなものなのかぁ、でもプラス ¥10,000 は痛いなぁ。」と渋るもやむなく納得。思い切って「練習器も含めて 3点セットで買うからもう少し安くして!」とお願いしてちょっと安くしてくれたので 3点セットで持ち帰ることにしました。

追加購入した「練習器」。説明を後で読むと何やら「キーヤーを内蔵していますのでエレキー用パドルを接続するとエレキーやエレバグの練習ができます。」との記述が。
正直言うと、想定外の出費があったので少々複雑な気持ちで家路につきました。

「エレキー」って何?

早速家に帰って動作確認をしようと取説を読むのですが、いきなり頭がハングアップします。

「エレキー」ってなに???

スピーカーの付いている「送信練習器」に「電鍵」との接続をするにあたって、「電鍵」には「エレキー」、「縦振りキー」、「バグキー」、「複式キー」などの種類があるそうで、それごとに接続や設定が異なるようです。自分の買った「電鍵」のベースモデルをオンラインページで見ると、「エレキー用パドル」と書いてあります。「ん?横振り電鍵を『パドル』と呼ぶなら『エレキー』ってなに???」

どうやら単に縦を横に変えただけでは無いらしい

Wikipedia の「電鍵」を見てみると、どうやら「電鍵」には種類があり、縦振りの「単式電鍵(ストレートキー)」や「複式電鍵」、「半自動電鍵(バグキー)」、「自動電鍵(エレクトリック・キーヤーとも呼ばれる。エレキーと略される)」があり、さらには自動電鍵には

本体(符号を発生させる小型コンピュータ)とパドルが別になっている製品もあり、このような製品では自分の好みのパドルを外部接続出来る(カツミ電機、BENCHAR、Vibroplex、GHDキー社などから多数出ている。)

などと説明されており、私が購入した「GN607F 類似品」は「エレキーのパドル部分のみ」であり、エレキーの本体(符号を発生させる小型コンピュータ)部分は送信練習器に「キーヤー」として備わっているということがわかりました。
若いスタッフさんが一生懸命説明していたのは「パドルだけでは音は出ないのですよ。キーヤーと組み合わせて初めてエレキーとして機能するのです。」ということだったようです。
(実際の運用では無線機にキーヤー機能が内蔵されているため、パドルを無線機に接続すれば良いようですが、練習ではパドル以外にキーヤー機能が別途必要ということ。)

ところで Wikipedia に「エレキーと略されるが、これはカツミ電機の登録商標となっている。」と記載されていますが、そのカツミ製の "ELE-KEY" はもう過去の製品(会社も今は無い?)のようですが、下記サイトで紹介されていますので興味のある方はどうぞ。なんと AC100V でリレーなどを駆使した結構大柄な筐体の製品だったようです。

ninjincho.cocolog-nifty.com

エレキーの操作と練習

ところでそのエレキーとしての操作は、実は単に「パドルを押さえれば音が出て話せば音が止まる(自分で単点と長点を調整する)」のだと単純に考えていたのですが、左右のキーがそれぞれ「左 = 短点」「右 = 長点」と機能が分けられており、かついずれのキーも押している間は単点もしくは長点が自動連続発信される仕組みになっていました。それが「自動電鍵(エレクトリック・キーヤー)」と呼ばれる所以ですね。しかも左右のパドルの押すタイミングを工夫することでスクイズ操作として少ない指の動きの組み合わせで多くの文字の発信をすることができるようになっていました。これらの操作の組み合わせで、リズムが一定の発信ができるようです。

youtu.be

GHD 社の YouTube チャンネルでは以下のように練習しましょう、としていました。

  • 左側(単点)の練習:E, I, S, H, 5

  • 右側(長点)の練習:T, M, O

  • スクイズ(左右をほぼ同時に操作):A, C, F, K, L, N, Q, R, Y

  • スクイズ操作以外:B, D, (E,) G, (I,) (S,) J, (M,) (O,) P, (S,) (T,) U, V, W, X, Z + Q, Y (下線は左右の交互操作。(カッコ)は別に解説済み。太字はビデオに無し)

ぼーっとしていると長く押し過ぎてしまうので最初は集中力を維持しながら練習する必要がありそうです。
肝は左右のパドルの押すタイミングと離すタイミングのようで、「若干どちらかを遅く押す」とか「最後の音はその前の音の段階で押す」など秘訣があるみたいです。その辺りの「スクイズ」の仕組みは上記の
「総合無線通信士への道 モールス / カツミ エレキー EK-160の概要」
で紹介されています。

【レバー操作と出力の関係(スクイーズ動作)】

①短点、長点どちらかのレバーを操作すると、短点または長点が設定された長さで出力されます。

②次の符号送出のタイミングでレバー操作があれば、その操作に対応した長点または短点が次に送出されます。レバー操作がなければ、新たな操作があるまで何も出力がありません。
①の出力中から、次の符号送出のタイミングまでの間に①とは逆のレバー操作があれば、②の動作よりも優先してその操作に対応した長点または短点が次に送出されます。
④このため、短点または長点レバー操作後にすぐくレバーを両方同時に押さえたままにすると、短点、長点を繰り返して出力します。また、片方のレバーを押さえたままにすると連続して押さえた方の点が連続して送出されます。

これらによりストレートキーで自分で単点と長点を調整しながら発信するよりも、少ない動作でより一定のリズムの発信が可能になることはちょっと触っただけでも十分実感できました。
あとは練習あるのみ! (本当にやるのか?)


ちなみに第21回国際鉄道模型コンベンション

あまりハムフェアに長居しなかったので、帰りに鉄道模型コンベンションにも寄ってきました。
こちらは子供から大人まですごい熱気で多くの人が集まっていました。私も子供の頃から鉄道は好きなのですが、模型には踏み出したことはありません。でも気持ちだけは分かるつもりで見に行きましたが、一人一人の熱気が私と違いますし、もっと言えばアマチュア無線のファンとも違います。
多分無線も子供視線でもカッコいいとは思うのですが、支出もあるし免許も必要なので趣味として始めるためのハードルは高いかもしれません。でも昔は結構いた無線少年が少なくなってしまったのに鉄道模型少年少女はたくさんいる、ということはもっと本質的に違うものがあるのかもしれません。
なーんて考えながら軽く一回りだけして帰ってきました。
あと石破茂のトークショーがあって満席でした。「政治家が顔を出すことでその会に何かしらのお墨付きを与える」ということが話題になっていますが、本当だなと感じました。

第22回国際鉄道模型コンベンション | - JAM CONVENTION - 国際鉄道模型コンベンションOFFICAL WEBSITE


(後日補足) ストレートキーとパドル/キーヤーの解説動画

GHDキーさんの YouTube を眺めたりしていましたが、意外とこの点の説明をまとめては整理していないようです(動画自体結構古いものしかありませんしね)。こういったお話は文字で説明するより動画で実際に動作させてくれれば一発で分かるのに。。。と思っていたら、新合調法でお世話になった JJ1IZW さんのチャンネルで「モールス通信に必要なGoodsの紹介」という紹介がありました。ストレートキー、パドル、バグキーの違い、キーヤーに関して無線機内蔵のものとあえて外部接続のものを使う例など紹介されていてよく分かりましたのでリンクを貼らせていただきます。

youtu.be

ゆるく電気・電子工作 - ガチの電子工作に挑む! - ソフトウェア・ラジオ 学習キット“Pico Stack SDR" [組み立て編] 多分作ってからが本番だけれども

さて、一通り部品が揃ったことを確認して組み立てに取り掛かります。 電子工作入門キットの類と異なり、パーツ袋の山を目の前にして緊張が高まります。しかし、落ち着いて作業すればちゃんと音が出るようになりました。

数学的な処理が間違っていたら「そもそも音が聞こえない」ので,信号処理の学習用としてはそれなりに意義があるのではないかと考えています.
(「“Pico Analog Board”使い方マニュアル 最終更新 :2021/12/4」より)

事前準備編

初心者なりに、作業する際にできるだけ考えることを最小に、かつ正確にするにはどうしたら良いかを考えてみました。

部品番号をパーツ袋のラベルに書く

マルツオンラインから送られてきた山盛りの袋入りのパーツを並べると、「最初に袋から出してしまったらきっと何が何だかわからなくなるな」と強い危機感を持ちました。袋にはパーツナンバーが印刷されていますが、それだと視認性が悪いので「組み立てマニュアル」に記載されている「部品番号」つまり、R1, R2, ... C1, C2,.. D1,D2, .. U1, U2,.. 等をパーツの存在確認も兼ねて袋に大きくマジック書きしました。

念の為測定できるものは練習がてら測定しながら

ついでに自分のテスタで測定できるものはチェックしながら組み立てを進めました。抵抗も色コードが私の目にはどうしても見分けしにくいし、テスタの機能確認にもなりますので、ダイオードも極性も確認しながら進めました。
コンデンサは毎回カソードマーク足の長さの違いを覚えられず、「どっちだっけ?」と確認しました。

組み立て編

組み立てマニュアルを見ながら「部品番号」を確認して作業を進めれば「配線を間違う」ことは無いと思います。組み立て段階で手こずったのは、自分のはんだ付けのスキルの低さが一番でした。それ以外には資料によって記述が違う部分があり戸惑うことがありました。

組み立ての概要(組み立て順序)- 二つある組み立てマニュアルのバージョン

前回紹介した YouTube Digi-Key 公式チャンネルの動画に掲載されいてる各種情報には組み立てマニュアルがディジタル基板とアナログ基板それぞれ別の資料に分かれています。一方、マルツのパーツ、基盤フルキットの紹介ページでは組み立てマニュアルは一つで、その内容としてはデジタル基盤を作成してその後アナログ基盤を作成することになっていました。

  • YouTube 説明欄掲載の組み立てマニュアル:最終更新:2021/11/28, デジアナ別ファイル
  • マルツオンライン掲載の組み立てマニュアル:最終更新:2022/4/1, デジアナ一体マニュアル

マルツオンライン掲載の方が新しいことと、YouTube 掲載の方だとデジタル基盤、アナログ基盤どちらから組み立てれば良いのかわからないので、私はマルツオンライン掲載の資料をもとに作業を進めました。これによるとデジタル基盤を先に組み立てるとなっていました。
実際にはどちらから先に作っても問題は無いことは後から分かりましたが、はんだ付けの作業量がデジタル基盤の方が少ないので、やっぱりデジタル基盤でウォーミングアップしてアナログ基盤に取り掛かるのが初心者には楽チンだったと思います。
しかし後で紹介しますが新しい方のマルツオンライン掲載の作業手順をそのまま行なうと手元のパーツとマニュアル掲載のパーツの仕様が一部異なる部分があり、かなり悩むことになりました。

はんだ付け

今回は「はんだ付けを沢山やった!」と満腹感を味わえるだけのはんだ付け箇所がありました。ただし入門キットではあまりなかった困難に遭遇しました。

基盤の表側にハンダが流れてしまう

裏面ではんだ付け作業をするわけですが、気がついたら表面にはんだの団子ができている箇所が結構ありました。恐らくはんだ付けの際ホールと足の余熱時間が長かったのが原因だと思います。また基盤の足を通す穴には太い穴と細い穴があり、太い穴に通す足が細い場合ははんだがどんどん表面に流れていってしまう箇所もありました。私のはんだ付けスキルのレベルとしては、常に反対側へのはんだの流れ出しをチェックする必要があるようです。

フラックスでベトベトに - コロナ対応で買った無水エタノールが役に立つ

多くの箇所をにフラックスをたっぷりつけてはんだ付けしていると、基盤の表面がかなりベトベトになってしまいました。これにはコロナ騒ぎの初めの頃、消毒用に買った無水エタノール(一般の消毒用と異なり水分なし)がまだたっぷりあったのでこれを活用。小さな基盤をエタノールで拭うためには、熊五郎お兄さんのオススメの針付き スポイトボトルとカメラのレンズクリーニング用ペーパーが大活躍でした。私の場合、オリンパスで買ったレンズクリーニング用ペーパーが大量にまだあるのでそれを使いましたが、普通はキムワイプのようですね。
針付きスポイトボトルは基盤のベタつく部分に適量のエタノールを流すのにちょうど良かったでした。狙った部分だけにエタノールを流せますからね。

キムワイプ 12×21.5cm /1箱(200枚入) S-200

キムワイプ 12×21.5cm /1箱(200枚入) S-200

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仮止めで失敗 → はんだ吸い取り器が必要になりまた秋葉原へ

作業を中断して慌てて秋葉原に買いに行ったのがはんだ吸い取り器。8本足のオーディオアンプをはんだ付けする際に、まず一本を仮止めした際に残りの足がちゃんと穴に入っていない状態で付けてしまいました。慌てて外して再度付け直そうと思ったら、穴にはんだが入って固まってしまい、半田吸い取り線でも取れません。溶かして付け直せば良いのですが今ひとつ基盤の固定とアンプの固定が定まらず、一旦穴のはんだを取り除くことにしました。そんな時に使うはんだ吸い取り器ですが、私にはまだ必要ないだろうと買っていなかったので、秋葉原に買いに行きました。結果はもちろんバッチリです。

適切ではないパーツを買っていた。(2個)

適切ではないパーツを買っていたものもあります。 一つ目はすでにご紹介している三端子レギュレータ。パーツ調達間違い(表面実装用を買っていた)。どこでどう間違えたのか、表面実装のパーツを買っており、足が穴に入らず悩んだ上に秋月電子にスルーホール型を買いに行きました。
二つ目はボリューム (VR1) のノブの外径が大きすぎて隣にあるジャンパにあたるので、これはめんどくさいのでノブなしで使っています(ノブなしでも使えます)。

二種類の資料に相違が! - LCD の扱い

私が悪いのですが、資料に記載内容が合わない部分があり、かなり悩みました。上にも書きましたが、二種類の組み立てマニュアルで表現が異なり、私のパーツと合わないのでしばらく悩みました。

マルツのキット版 YouTubeからダウンロード版
バック・ライトを光 らせるために写真 6 に示すように基板裏面の“J3”をはんだでショートし,さらに“R9”のパッドに 100Ω の抵抗(小型)をはんだ付けします. この LCD を使う 場合は,バック・ライトを光らせるために基板裏面の“J2”と“J3”をはんだでショートする必要があ ります

恐らくマルツのキットと YouTube に掲載されているパーツが違うのでしょうね。YouTube の部品表で買い物したのに組み立てはマルツのキット版を見ながら組み立てなので、手元の LCD に R9 が無いので J3 のジャンパだけして使っていましたが、ディスプレィの表示が薄くて良く見えませんでした。念の為チェックした YouTube 版の資料を見たら、J2 のショートもするという指示だったので、その通りにしたらしっかり表示されるようになりました。

利用編

設計の別府さんも言っていますが、正直言ってあまり感度の良いラジオにはなっていません。私はこの前組み立てたエコキューブラジオ 3 をベンチマークに動作確認してみましたが、エコキューブの方が感度が良いです。
バーアンテナの巻き線(の尻尾部分)の扱いを変えることで感度が変わるようなので、余裕ができたら試してみたいと思います。

バー・アンテナのタップは巻き数が小さい方(ベージュ色)を使うことをおすすめしますが,あまり にも感度が悪い場合は巻き数が多い方(緑色)のタップを使ってください.ただし,巻き数が多い方の タップを使うと混信や発振のリスクが大きくなるのでご注意ください.

ラジオとしての 3つの動作モード

このラジオの動作は、Pico で実行させるプログラムモジュールの種類、及びアナログボード上の二つのジャンパの設定で複数の動作モードが設定されています。

プログラムモジュールとジャンパの組み合わせ

詳細はマニュアルを参照いただきたいのですが、いずれのモードでも一応どの局でも受信できましたが、 NHK 第一がどのモードでも一番周波数設定が難しかったのは私の家の環境によるのかもしれません。またダイオード検波ではバリコンでチューニングするのは当然ですが、 「Pico 復調」のモードでも LCD での周波数設定だけでは不十分でバリコンのチューニングも必要なので少々操作は煩雑に感じるとともに、チューニングで戸惑っている分それぞれの音質の特徴などをきっちり認識仕分けるのも難しかったです。
恐らくこのラジオは「良い音でラジオを聴く」ためのデバイスではなく、音はそこそこでも「設計した通りに復調できることを確認するデバイス」なので、音質に関してどうこう言っても仕方は無いのでしょう。

Grove

ラジオとは別の利用目的で、Grove インターフェースを 3個装備しているので、各種の周辺機器の制御プログラムを試してみることができるようになっています。Grove とは、 seeed studioが開発した差すだけで配線やはんだ付けなしで周辺デバイスを扱える規格のようです。

www.switch-science.com

色々なデバイスがあるので楽しめそうですが、まだ試していません。

後から設計を見直す - ソースコード、回路図

今回 Pico で動作させるプログラムはダウンロード可能な実行モジュール (.uf2) をそのまま使い、プログラムの中身はちゃんとみていません。本当であればそこで何を行っているのか、どんな数学理論が実装されているのか学ぶのがこのキットの一番の目的だと思います。またアナログ派には回路図から学ぶこともあるのだと思いますが、軟弱な私は「とりあえず聞こえるラジオを組み立てられた」ということで一旦は満足しようかと思います。
ただし、せっかくソースコードがあるので、どんな構造になっているかだけ見てみようと sourcetrail で関数の構造だけチェックしてみましたので興味のある方はご覧ください。

sourcetrail で関数の構造を表示してみた


組み立て前は気合を入れて臨んだのですが、やはり数学理論となると途端にハードルが高く感じられてしまい、尻すぼみになってしまったのは残念ですが、ちゃんと手順を守れば組み上げられたということと、今後気持ちが乗れば作ったコイツの中身を勉強してみたいと思います。

ゆるく電気・電子工作 - ガチの電子工作に挑む! - ソフトウェア・ラジオ 学習キット “Pico Stack SDR" [パーツ等調達編]

パーツ一式がキットになっている電子工作しかの経験のない素人の私にとっては、パーツ調達が一番思うように進みませんでした。秋葉原でパーツ屋さんは行ったことがあるので、店内でトレイに自分の欲しいパーツを一つひとつ棚から集めている人は見かけますが、オンラインで購入するというのはまた違った経験となりました。
今回はさらに基盤の製作発注するという点も初体験。

この記事で紹介している基盤をヤフオクで実費程度でお分けしています。興味のある方はどうぞ!

page.auctions.yahoo.co.jp

パーツや基盤調達のためにどのようなデータが公開されているか?

前回チラッとご紹介しましたが、これは YouTube の説明欄に細かく掲載されているので、データのリンク先も含めて YouTube を実際に確認していただきたいのですが、以下のデータが公開されています。

Pico Stack SDRの設計データ】
(1)回路図
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板
(2)基板製作用データ
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板
(3)部品表
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板
(4)組み立てマニュアル
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板
(5)使い方マニュアル
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板
(6)プログラム・ソース
 ・ディジタル・ベースバンド基板
 ・アナログ・フロント・エンド基板

一応組み立てマニュアルを読んでみると、易しく(?)書かれているので「よし、設計はよくわからないけれども組み立ててみよう!」となりました。

【パーツ購入】基本はマルツオンラインで

電子部品のネット通販会社はいくつか耳にしたものはありましたが、 “Pico Stack SDR" の紹介を YouTube でやっているのが Digi-Key のチャンネルだし、主催しているのが Digi-Key の国内販売を提携しているマルツエレック株式会社ということなので、マルツエレックのマルツオンラインで調達することにしました。

[ハードル] Amazon でショッピングするのとはちょっと違う!

ダウンロードした部品表をそのまま注文用の部品表としては使えない

マルツオンラインにしたのにはもう一つ理由があります。この YuTube シリーズで提供されている部品表があるので、動画の主催のマルツならそのまま使ってワンタッチで購入できるのでは無いか?という甘い考えがありました。
しかし、ダウンロードした Excel の部品表はそのまま注文には使えないことがすぐにわかりました。理由は二つあって、一つは Excel の表がセル結合されていいたこと。もう一つは注文に必要なメーカー名の記載がないことです。細かい話はやめておきますが、一点一点メーカー探して指定する必要がありました。そこで半分挫折してアナログ基盤用のパーツだけは注文してデジタル基盤の方が後回しにしました。

種類が多すぎ!欠品パーツに「機能同等の代替品」は無い?

あとは在庫がない場合が結構ありました。「入庫まで数日」なんてのはめんどくさいのでそのまま発注しても問題ありませんでしたが、意外なことに抵抗に「納期 2ヶ月」なんてものがゴロゴロとあって、一旦発注はできてもメールで「どうする?」って確認メールが来ました。素人の怖いもの知らずで「同等品に替えていただけますか?」と聞いたら「同等品はありません。」と冷たい返事が。。。
ちょうどその頃試験勉強の真っ最中だったので、めんどくさいので納期の長いものはキャンセルして残りだけ発注した記憶があります。

1アマに合格したあと心に余裕ができたので、デジタル基盤用パーツとアナログ基盤で欠品となっていたパーツを一つ一つ自分なりに(適当に)代替品を見繕って発注。

結局秋月電子にも何回も足を運ぶ

マルツではスペーサー類が 100本単位でしか販売していないので、秋葉原の秋月電子にも足を運びました。あとジャンパを紛失してこれも秋月へ。

注文間違いは二つ

間違って注文して後から「こんなはずではなかった!」となったのもありました。 基本的にダウンロードした部品表にある Digi-Key の商品 url から辿れば間違ったものをオーダーすることはないのですが、商品番号で検索すると同じ番号でも仕様の異なるものがあったのです。三端子レギュレータ の "ta48m05f"。何気なく注文していたら実際に組み立ての際に「???」。。パーツの足が短くて太いのです。どうやっても基盤のホールに入らない。すぐには分からなかったのですが、間違って表面実装用のパーツを注文していたのでした。これも秋月電子へ直行。

もう一つはどうでもいいと言って仕舞えばどうでも良いのですが、アナログ基盤のボリュームに付けるノブの系が太すぎて隣のジャンパピンに当たるのでこれは今の所ノブなしのままです。

[感想]パーツの通販って大変だ(売る方が)

1点ずつビニール袋に入れてラベルが貼ってある!

驚いたのがパーツの梱包。電子工作のキットを買ったことはあるのですが、一つのビニール袋にいくつものパーツが入っていたので、そんな感じで送られてくると思っていました。しかし、なんと抵抗一本であってもパーツの種類ごとに一つのしっかりしたビニール袋に入れてあり、しかもその袋にはちゃんとラベルが貼られているのです!

デジタル基盤用パーツ
アナログ基盤用パーツ
これって、袋だって安くなさそうだし、袋詰めだって大変そう。これが機械化されていたら凄い!

趣味の個人相手だと手間はかかるし単価は安いし

基本的に単価の安いパーツが多いし、個人が工作用に買うパーツなんて全量でも大した金額でもないでしょう。確か 3,000円以上だと送料も無料。なかなか大変なビジネスだなーと思いました。

【基盤製作】は elecrow - 安い!と思ったけれど

[ハードル] 全く未経験の製造依頼ってどうするの?

今でこそ色々基盤製造に関する Google 検索をしたので、「こんなに製造メーカーがあるの??」というほど各種リコメンドが出てきますが、最初は全く土地勘のない分野でした。

どこに注文すれば良いのか?

最初はせっかくなのでパーツを買ったマルツオンラインを調べてみました。 基盤製造のページをを覗いてみると、お見積り例が載っていて

マルツオンラインの基盤製造のページより転載
「5枚で 2万円から」ということのようです。 思い切って海外に発注してみようかとネットを調べていたら、Buono さんの「初めての基板発注|KiCadで基板製造データを作ってElecrowで基板発注する方法|1枚あたり100円で作れます」をみて Elecrow に発注してみました。なんといっても「1枚あたり100円で作れます」というのに惹かれました。

youtu.be

しかも、この動画では設計データ(ガーバーデータと呼ぶようです)の作成方法から簡単に紹介していますが、なんといっても手元には別府さんが作成してくれたデータがダウンロード済みなのですから単に設計ファイルを送れば基盤製作を発注できそうです。

Elecrow のホームページより
www.elecrow.com早速アカウントを作成し、Buono さんの動画を見ながらいくつかの指定事項を指定し、データのアップロードして発注しました。基盤関連でも当然色々な深みがあるのはわかっていましたが、ここで基盤にハマるのは避けようとあえて細かいことには目をつぶっていました。 費用は 10枚で合計 $20.25 !
今の円安で ¥140/$ になったとしても 3,000円弱です!マルツさんには申し訳ないですが、これなら何回も作り直したってリードタイムが許されれば海外に発注してしまいます。

項目 数量 小計
アナログボード 10枚 $4.90
デジタルボード 10枚 $4.90
送料 10 $10.45
そうは甘くない!設計データに対して質問がきた!仕方ないので自分で基盤設計を目視確認

さすがにそう甘くはありませんでした。Buono のさんの動画にもあるように、基盤製作上何かあれば確認のメールが来るといっていたメールが来ました。英文ですが言っていることは簡単で、
「発注時の基盤サイズの指定が 100mm x 100mm となっているが、基盤設計データでは 120mm x 100mm になっています。サイズを変更しますか?それとも指定のサイズに(圧縮して)作成しますか?」
と。そういえば基盤サイズの指定は何も考えず最小(最低価格)のままにしていたのですが、実際の設計データを確認していませんでした。そこで今更ですが、Bouno さんの動画にあった KiCad をダウンロード&導入して設計データを見てみるとやっぱり 120 x 100 となっていました。さすがに無理やり 100 x 100 に圧縮してもパーツを載せるのに問題が出そうな気がしたので、基盤サイズを 120 x 100 に変更してくださいと連絡しました。
すると、、、
基盤サイズアップによる製作費と送料の増加で追加で $54.00 必要だとのこと!思わずボッタクリバーか?!と思いましたが、それでも合計 $74.25 (≒ 10,400円(¥140/$ 換算))。マルツオンラインと比べて倍の 10枚を発注していますから価格は 1/4 。正直品質は私にはよくわかりませんが、きっと私がやるような電子工作なら全く問題ないのでしょう。

[感想]

意外と早い!製造終了の連絡から 4日で手元に届いた

追加費用を払わされたので、ちょっとネガティブな気持ちになり送料は最低料金の選択をしました。にもかかわらず、出荷完了通知メールからその日を含めて 4日目にちゃんと配送されました! 40 日もかかった AliExpress とは雲泥の差です。

ちゃんとした設計データがあればしっかりした基盤が手に入る!しかも 1枚あたり100円で作れます」は嘘じゃない!

私の場合は 120 x 100 サイズなので 100 x 100 に比べると送料こみで 3倍になってしまいましたが、100 x 100 であれば確かに 1枚あたり 100円で作れます。人の設計に依存せず自分で KiCad を使って設計できるようになれば、いろいろ安く楽しめそうな世界のようです。

パーツや基盤製造注文が面倒臭い!という方にはマルツのキットでお金で解決

私はパーツなどを自分で発注してみましたが、その手間や躓きを楽しむ時間的余裕がない方でお金がある方はにはパーツや基盤までセットになっているキットがありますのでどうぞ。

[講義ビデオ付き組立キット] 初めてのソフトウェア無線&信号処理プログラミング(基礎編/応用編) MZ-PICOSTACKSDR-ON1 ZEPエンジニアリング製|電子部品・半導体通販のマルツ


ということで、パーツ基盤調達編でした。 次回は実際に組み立てに関するお話をしたいと思います。

ゆるく電気・電子工作 - ソフトウェアラジオ (Pico Stack SDR) を作ってみる - 概要編(アマチュア無線試験勉強の気分転換に!)

アマチュア無線の試験勉強の最中に、ネット情報や YouTube で色々勉強?していたことは以前軽く触れましたが、今回はその中の一つの YouTube チャンネルで連載されているSDR (ソフトウェアラジオ)の製作にチャレンジしてみたというお話しです。
無事ちゃんと動くラジオを作ることはできましたが、パーツをネット購入するにしてもプリント基板を製作するにしても、出来たとはいえ素人の一般常識は通じない世界を体験することもできました。

今回は、私の作った "Pico Stack SDR" に関する基本的な情報と、少し脱線しますが私が YouTube で楽しんだ Digi-Key 社のチャンネルなどを中心にご紹介します。
実際に組み立てを始めるまでに必要なパーツの調達と基盤の製作などのお話、そして実際の組み立てに関する経験談などは別途ご紹介予定です。

Pico Stack SDR とは?

一言で言うと、別府伸耕さんが製作のために必要なデータを公開している SDR (Software Defined Radio) の名称です。"SDR" 自体は平たく言えばアナログ回路の塊にコンピュータのデジタル処理を大幅に取り込んだ無線機、ということですね。コンピュータ(今回の例で言えば Raspberry Pi Pico) というハードウェアを組み合わせたのに「何故 HDR (Hardware Defined Radio)と言わないのか?」とも思いますが、プログラムというソフトウェアがコンピュータで動作してかつてのアナログ回路の役割の一部を自在に制御できるからなのでしょう。

"Pico Stack SDR" の名前の由来は、Raspberry Pi Pico と言う安価なマイコンを中心としたデジタル回路基盤と従来のアナログ回路基盤を重ねて (Stack) 動作させる手作り SDR と言うのが名前の由来のようです。
"Pico Stack SDR" の詳細はもう少し後で説明しますが、少し寄り道して1アマ試験勉強に役立った? YouTube チャンネルの話を先にご紹介します。

「Digi-Key日本公式チャンネル」

"Pico Stack SDR" 自体は Digi-Key 社という電子部品販売会社が提供している YouTube チャンネルの一つのシリーズで取り上げられています。ここで "Pico Stack SDR" を前提としたシリーズを別府さんが発信しているのです。

www.youtube.com

Digi-Key日本公式チャンネルのおすすめシリーズは

Digi-Key日本公式チャンネルにはいくつかのシリーズがあり、このあと説明する別府さんの「高校数学からはじめるソフトウェア無線 超入門」以外にもイチケンさんとのコラボシリーズや「【ゼロから学ぶDC/DCコンバータ基礎講座 第1章 原理編】」なんてシリーズのもあり、アマチュア無線の試験勉強期間に気分転換も兼ねて試聴していました。内容は1アマ無線工学の範囲は超えたものも多いですが、その端々に基本的な解説も出てきますし、無線の教科書やサイトとは一味違った説明があったりするので、試験勉強の気分転換になると思います。

【イチケン特典映像付き】インダクタ(コイル)の原理を解説!キャパシタと比較も!〜イチケンスペシャル〜 - YouTube

第1回「DC/DCコンバータとは何ものだ」〜第1章 原理編 ゼロから学ぶDC/DCコンバータ基礎講座〜 - YouTube

「~ 高校数学からはじめるソフトウェア無線 超入門 ~ <設計データ付き>」

さて、"Pico Stack SDR" を説明しているこのシリーズは別府 伸耕(Nobuyasu Beppu)さんが熱く解説しているシリーズで、第一回が「電子回路は「通信機」のために生まれた」と言うアマチュア無線の無線工学を勉強している人なら「おー!」となりそうなオープニングから始まります。

youtu.be

実は私がこの文章を書いている 2022年 6月でもこのシリーズ(全20回)はまだ完結しておらず、私の1アマ試験勉強中にはちょうど第1回から第6回あたりの話をしていたと思います。

第1回 電子回路は「通信機」のために生まれた
第2回 多人数で同時に通信するための「多元接続」
第3回 すべての通信機の基本「スーパー・ヘテロダイン方式
第4回 通信の速さを決める「ベースバンド帯域幅」
第5回 最先端の通信機 “SDR” のしくみ
第6回 SDR自作キット “Pico Stack SDR” の紹介

シリーズの後半は数学に寄っていくのですが、最初の 6回のタイトルを見るとアマチュア無線を勉強している人なら「おおー、面白そう!」と惹き込まれそうでしょう。
その第5回 で SDR の一般論、第6回で今回私が手作りしてみた “Pico Stack SDR” の解説があります。

youtu.be

この動画シリーズで強調されていると私が思ったポイントを 2 つ挙げておきます。

  1. 電子回路の歴史は通信記述の歴史

  2. エンジニアリングの中心は数学

ですので「第6回で製作物を見せておいて、そこの設計用いられている数学の解説をその後の回で分かりやすく展開する」と言う流れのようです。
正直、1アマ程度の三角関数や複素数程度であればなんとか食らいついていこう!と自分を鼓舞することもできますが、後々出てくる微分、オイラーの公式、フーリエ級数などという単語を目にすると少々気後れしてしまうのも事実です。そんな私でもとりあえず “Pico Stack SDR” と言うアウトプットを自分の手で作ってみることは可能でしたので、私のようにあまり大上段に構えないで手をつけてみるのも良いのではないでしょうか。

肝心の "Pico Stack SDR" はどんなもの?

少々寄り道をしてここまで辿り着きました。 "Pico Stack SDR" も詳しくは上で紹介した別府さんの第6回の熱い解説を見ていただきたいのですが、ここでは一部だけ動画と共に公開されているプレゼン資料から引用させていただき、雰囲気だけご紹介します。
(動画だけではなくプレゼン資料もダウンロードできます!)

digi-keyチャンネル「SDR自作キット “Pico Stack SDR” の紹介」より

digi-keyチャンネル「SDR自作キット “Pico Stack SDR” の紹介」より

digi-keyチャンネル「SDR自作キット “Pico Stack SDR” の紹介」より

わかる人にはこれで十分なのでしょうし、初心者の私が解説できるレベルではありませんが、初心者向けの補足を加えておきます。

  • AM のみのラジオです。
  • アナログ回路の設計に関する詳細な解説は見当たりませんでした。しかし作れます。
  • Praspberry Pi Pico で稼働するソースコードが公開されており、このシリーズの後半ではそこで用いられている数学理論の説明が中心となっているようです。ちなみに実行可能モジュール (".uf2" ファイル) も提供されていますので、ソールの内容の理解やコンパイル環境が無くても動くものは作れます。
  • 簡単に動いてしまうのですが、別府さんの本意は数学理論と合わせてチラッとソースコードも見てね!ということだと思います。
これがコイル? 試験勉強に出てきたショットキーダイオードやオペアンプも使う!

当然電子工作なので、アナログ/デジタルとも色々なパーツを組み立てることになります。フロントエンドの RF 部分(スーパーヘテロダインの初段)はアナログラジオなのですが、アマチュア無線の無線工学でたっぷり?勉強した RLC も当然出てきます。 R と C はそこそこの本数が使われていましたが、 L (コイル/インダクタ) はたった一つだけでした。しかも試験テキストや問題のイラストに出てきた電線ぐるぐる巻きタイプのものではなく、一見「太った抵抗」に見えてしまうアキシャルリードタイプが一つだけあっただけでした。

Digi-Key の商品説明ページより転載(77F102J-TR-RC)

1級の試験で必ず登場するショットキーダイオードや、オペアンプなどはちゃんと登場し、「おーこれが本物だ!」と小さな感激を得られました。

はんだ付けはさほど難しくない

はんだ付けはさほど難しくないし、量も驚くほどではありません。上の写真に写っている二つのボードに載っているパーツが全てです。
もちろん私自身も大したはんだ付けスキルを持っているわけではなく、子供の頃ちょっと工作をしたとか、アマチュア無線のアンテナと同軸ケーブル、コネクタのはんだ付けをした以外は以前紹介したこれで練習した程度です。

blog0.kurikumachan.com

「山崎教育システムの エコキューブラジオ 3」や「 IoT 学習 HATキット」の時よりははんだ付け箇所は多いので、ちょっとだけ腕が上がった(?)と思いますが、相変わらず芋ハンダになることも多かったですが、それでショートしてしまうようなことなくなんとかなったようです。

製作に必要なデータは公開されている

はんだ付けの話にいってしまいましたが、それを始める前にパーツや基盤を調達しなければなりません。パーツは市販品なので型番や仕様が資料に記載されているのでなんとかなるだろうわかります。しかし、"Pico Stack SDR" 用の基盤自体は販売していません(基盤もキットにして販売しているものもあり、それは最後にリンクを貼っておきます)。売っていないものをどうやって調達するかというと、「"Pico Stack SDR" 用の基盤」を作ってもらうのです。

制作に必要な部品一覧だけでは無く、プリント基板製作発注のためのデータもダウンロードできるので、自分で何かしらの設計をする必要はありません。しかし、そのデータファイルを提示して「作ってください!」と言わなければなりません。そんなことしたことはなかったので、実はここが一番緊張したところかもしれません。

【提供されるデータ類】

(1)回路図
(2)基板製作用データ
(3)部品表
(4)組み立てマニュアル
(5)使い方マニュアル
(6)プログラム・ソース.

自分でやってみよう!

と言うことで、今回は "Pico Stack SDR" とその周辺をご紹介しました。 実は1アマの試験勉強中に気分転換に刺激を求めて一部発注をしたのですが、中途半端なまま中断し放置していました。今回少し気合を入れ紆余曲折があっても調達を完了し、逆に製作は一気に進めることができました。
このあと発注関連、製作関連のお話をまとめる予定なので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。詳細なデータは上に引用してある YouTube の詳細欄にびっちり情報が記載されています!
「いやいや、お金には糸目つけないので楽にできる方法があれば自分は製作に集中したい!」という方には割高ですが自分でパーツや基板の発注なしにオールインワンで購入できる本当のキットもあるようですのでそちらも検討されてはいかがでしょうか?

[講義ビデオ付き組立キット] 初めてのソフトウェア無線&信号処理プログラミング(基礎編/応用編) MZ-PICOSTACKSDR-ON1 ZEPエンジニアリング製|電子部品・半導体通販のマルツ

ゆるくアマチュア無線 - 1アマ免許証きた

連休前の 4月26日に合格通知がきて 27日に郵送で申請していた 1アマの免許証が届きました。
連休を挟んだにもかかわらず、暦日でピッタリ 3週間で返送してきた総合通信局偉い!
と思いましたが、もっとデジタル化を進めて簡素化迅速化を実現してほしいですね。3週間を早いと思ってしまうは、過去にそれを経験している経験者バイアスであって、誰もがそう感じるわけでは無いですからね。 免許制度の改善も含めて期待したいと思います。

「1アマ取ったから早速 xxx しよう!」というものがあるわけでは無いのですが...